フーコー・コレクション 4 (ちくま学芸文庫 フ 12-5)
フーコー・コレクション 4 (ちくま学芸文庫 フ 12-5) / 感想・レビュー
加納恭史
もう少しフーコーの思想や司法について知りたいと思ってこの本を見る。彼の歴史の継続性を権力と監禁で具体的に知れるのでこの本が最適と思う。彼の政治参加の一つ「監獄情報グループ」の宣言から「監視と処罰―監獄の誕生」を更に詳細に知ることが出来る。二、三冊の彼らの解説書で、フーコーは構造主義を批判しているようだが、監獄についての具体例で分かり易い。その前の例で、デュメジルによるホラティウスを巡るローマの伝説がある。対比されるのはアイルランドのクーフリンと言う伝説の英雄の物語です。ローマ伝説ではこの物語の変形がある。
2023/03/27
∃.狂茶党
監獄と権力を巡る生々しい政治の言葉。 例えば、入管法の問題などで、今の日本もまるで人ごとではない。 医療を巡る力の流れなどを見ると、監獄システムの巨大さに畏れを覚える。
2024/06/21
ラウリスタ~
これでフーコー・コレクションは全部読んだ。特にこの4はフーコーを読む助けになる本だったと思う。医学、監獄、狂気などにおける考古学的知を研究しているかに思えたフーコーが、自らも知らぬうちに「権力」というラスボスの前に如何にして立たせられていたかってことを語ってくれる。蓮見さんが「僕は以前あなたの著作をこうこうと読んでいたのですが、実は権力〜〜」って話をして、フーコー自身もどこかで「僕があれらを書いていたときは、○△や×■の研究をしていたと思ってたんだけど、今から思えば権力について書いてたんだね、ははは」だと
2014/03/12
OKKO (o▽n)v 終活中
図書館 ◆「地理学」のとこだけ熟読……といいたいが、なに言ってんだかサッパリわからん(笑) 私がバカなだけじゃなく、インタビュアーもおかしいんとちゃう? と悔し紛れに言いがかりをつけてみる。カウフマンの『芸術地理学に向かって』を読むかぎり、フーコーの言説がかなり重要な感じがしたのでトライしたが、カウフマンの芸術地理学とフーコーの地理学論がいかにつながるのか、オパンポな頭ではどうしてもつかめず。もう少し勉強してからの再挑戦を誓う。悔しい ◆そんなわけで余裕がなく、パノプティコン関連の発言に手が届かず。悔しい
2015/11/02
竹花 樒 - Shikimi Takehana
ミシェル・フーコーといえば、研究・分析を通じて表象される対象(=「真理」)の価値判断を徹底して行わない――「方法論」を拒絶する――人で、その真理を規定するシステムをフーコーは「権力」と呼ぶ。これはフロイトの「抑圧」のアナロジーで捉えられるような静的な関係ではなく、実態はむしろ視線によって規律を与えられ、社会体の中で実生産を行う生産体のことで、彼は視線がもつ監視機能から内面化までの道筋を「視線の政治学」として浮き彫りにする。その形態、及び制度設計が「建築」によって具体化されたのが「監獄」だと暗に述べていた。
2012/05/10
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