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ペンローズの〈量子脳〉理論 ―心と意識の科学的基礎をもとめて (ちくま学芸文庫)

ペンローズの〈量子脳〉理論 ―心と意識の科学的基礎をもとめて (ちくま学芸文庫)

ペンローズの〈量子脳〉理論 ―心と意識の科学的基礎をもとめて (ちくま学芸文庫)

作家
ロジャー ペンローズ
Roger Penrose
竹内薫
茂木健一郎
出版社
筑摩書房
発売日
2006-09-06
ISBN
9784480090065
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ペンローズの〈量子脳〉理論 ―心と意識の科学的基礎をもとめて (ちくま学芸文庫) / 感想・レビュー

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うめ

理解したかと言われると、3割したかどうかも怪しいけれど、ものすごく面白かった。ペンローズの他の著書も読んでみたい。一番痺れた一節は、ニュートン物理学を一番初めに理解したのは、アインシュタインだと言うところ。限界を指摘し、新たな理論を打ち立てなければ、理解したとは言えないものなのね。地動説が受け入れられたのに数世紀を要した事を考えると、量子論が身近な理論になるのにも、まだ時間がかかるのかも。もういい加減、小学校あたりから量子論をがっつり教えて良いと思う。私はもっと早くから学びたかったなぁ。

2016/11/20

道楽モン

歴史的大著『皇帝の新しい心』および『心の影』を読むための前哨戦。訳者である竹内薫、茂木健一郎両氏の解説が懇切丁寧に(それでも難しいのだが)、ペンローズの主張ポイントをまとめている。量子脳理論は、おそらく正しくないだろうと茂木氏は書くが、ミクロから宇宙を統一するのみならず意識の発生すら量子の作用であるという壮大な仮定を論じる、まさに天才の発想に、身を委ね、快感に酔いしれる。後半は『心の影』に寄せられた多くの分野別専門研究者への反論。内容は殆ど理解できないが、ペンローズの余裕綽々な論説は、完全にエンタメだ。

2023/06/04

Pustota

用語解説や本人と会ったときの思い出話まで含めて、ペンローズの脳や意識についての理論を解説する。ペンローズの著作を読んだことはないが、いきなり読んでも理解できず挫折していただろう。この解説書も十分に理解できたとは言えないが、おさえるべきポイントをはっきりさせてくれているのでとっつきやすかった。何より解説者の、ペンローズの理論のここが凄い、ワクワクするという想いが伝わってくるのが良い。まだ全ては解明されず、日常の感覚からかけ離れた世界を見せる物理学に、意識の秘密が隠されている可能性があるというのは面白い。

2022/12/18

roughfractus02

熱力学領域で説明されるニューロン作用を、著者はさらに微小な量子力学領域で説明する。その際、波束が収縮するORを意識と関係させる「マイクロチューブル」なる機構が導入され、化学的濃度より量子的揺らぎを優先させる。一方、量子力学からの意識発生の説明が、熱力学や科学的説明の奥にその発生原因を求める構造を固定するなら、デネットのカルテジアン劇場(ホムンクルス)問題を生じさせるようにも見える。その際ポパーの三世界論を援用する著者が、ポパーの設定する世界3はプログラム万能主義ではプラトン的になるという言葉に注目したい。

2017/06/10

つづりさん

部分的にはすげえ面白かったのだけど、結局興味があるなら心の影などを読めということなのかな、とも。とくに某モジャ公の個人的な話は本当に蛇足だと思った。論理学、不完全性、計算不可能性などそれ自体の踏み込んだ(少なくとも初心者目にはそう見える)話や他の本で論じられているような意識とはという話よりも、量子脳理論の詳細に関しての記述、とくにマイクロチューブルの物理的にもっと詳細な話やそこで起きているかもしれないマクロな量子状態や量子重力理論へのペンローズの予想を期待していた点で残念に思った。

2013/10/18

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