山水思想: 「負」の想像力 (ちくま学芸文庫 マ 25-3)
山水思想: 「負」の想像力 (ちくま学芸文庫 マ 25-3) / 感想・レビュー
i-miya
2010.12.03 (副題) 「負」の想像力。(背表紙裏書―解説の一部) 中国渡来の山水画に日本的なもの見出す独自な画風―いつからか。日本画とは何か。松岡の叔父は横山操と親交。枯山水―「負の山水」。水墨山水画に日本文化独自の「方法」。(松岡正剛) 1944、京都生まれ。編集工学研究所長、イシス編集学校校長。(あとがき) 「主題」よりも「方法」に関心。モンゴル元王朝。
2010/12/04
ゆうきなかもと
再読 本阿弥光悦の存在が気になって、とりあえず家にある松岡正剛の本を手にとった。 光悦への手がかりとしてはわずかだけれど、日本の、水墨画の美学、山水画の美学の由来はわかった気がする。 たぶん、藤原定家と和漢朗詠集、そして道元、夢窓国師を追いかけることで、日本の美意識の根本を知ることができるのではないか。 そう思った。
2018/12/04
白義
等伯の松林図には不思議な気配がする。全体的にはおとなしく、静的でありながら観る者の精神を解き放ち、浮遊させる動的な想像力が絵画全体を支配している。虚実の律動を感じさせる画だろう。本書はそうした山水画を中心に、日本画の系譜をたどり直し、その方法を探求する気合いの入った絵画論。そして、卓抜な比較文化論でもある。枯山水の負の想像力、思想に肉薄した傑作で、著者が松岡正剛だけあって山水画周辺の総合的文化史のおさらいにもなる。日本画を観る目が変わる名著の一つ
2012/06/06
零水亭
雪舟以降の日本の山水画の歴史を丁寧に追う。 大学院生時代に読んで、内容の豊富さ・奥深さに思わず溜息が出た。唐木順三氏の本と併せて読むと、凄く勉強になる。松岡正剛氏の本の中で最も最初に読んだ本で、かつ最も好きな本。
2019/07/11
miharasi_mamiya
面白かった。横山操から始まって水墨画の長い旅に付き合わされる感じだった。中国から入ってきた水墨画がどう日本独自のものになっていったのか。西洋美術のアングルとドラクロワの対比などの例が出てきたり。
2012/11/11
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