橋爪大三郎の社会学講義 (ちくま学芸文庫 ハ 30-1)
橋爪大三郎の社会学講義 (ちくま学芸文庫 ハ 30-1) / 感想・レビュー
ころこ
文字通りの講義だと思って手に取ったが、90年代の平易な文章群で、期待通りだったのは初めの【基礎講座】90ページ程だった。著者曰く、社会学は制度ではなく、「モノの見方」だ。冷戦が終わり、マルクス主義が退潮した後に政治学、経済学、法学が掬い取れなかった部分を、それらの学問の制度の基礎にある社会的問題を掘り起こしていくのが社会学の役割だという。文学のジェンダー研究や哲学の言語論的展開の社会反映論など、他の分野でも同じことが行われている。本書では現象学的社会学が論じられていて、成立過程を追うことで理解が深まる。
2023/04/12
夏野菜
久々の社会学。ちくま学芸文庫に身構えるも、わりと気軽な内容。どこかで読んだ気がすると思ったら初出がアエラムックだったり。楽しく読めました。15年以上前に書かれていても、社会分析は今にがんがん当てはまる。うむ、もう一回読もう。そいで久々にヴェーバーでも読んでみようかなぁ。挫折したプロ倫を今こそ。
2013/03/12
とりぞう
本書が記されたのは、オウム事件がようやく終結しようかとしていた時期。それでありながら「S・ハンチントンはキリスト教文明に対するイスラム教文明の挑戦が、来たるべき時代を特徴づけるとした」という記述や、「あくまでも合意を追求する日本の組織や集団は、ある個人が判断して集団の決定を下した場合でも、そのことを隠そうとしてきた」という「現在の現象」を説明する「予言的」記述がある。すなわちそうした出来事は「理論」により導かれるものだったわけだ。放談でない社会認識の理論を学びたくなる書。面白かった。
2016/10/14
ペールエール
人と人との繋がりを俯瞰するー。 社会学という学問の重要性を改めて感じた。 人を媒介しての作用が発生したとき、そこは社会学の研究対象となる。
2013/07/18
КИТАРУ МУРАКАМУ
社会学って、どんな目的の元、どんな歴史を辿って、その知的リソースを引き継ぎ、実際どの様なメソッドの元に体系化されているか、よくまとっていて読みやすい。講義と銘打ってる感じ、こういうことを共有して欲しいんよってコンセプトが書かれてる分だけ良心的な社会学取り扱い書。大学・宗教・家族に対するちょっとした論考付き。
2010/07/11
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