思想のアンソロジ- (ちくま学芸文庫 ヨ 1-11)
思想のアンソロジ- (ちくま学芸文庫 ヨ 1-11) / 感想・レビュー
tokko
本国の古くは上代から新しいものだと戦後の、ありとあらゆるテキストとその解説という形式です。しかしテキストだけでは吉本さんの思想の深さには当然到達できません。自分の知らないことがあまりにも多すぎて、ただただ吉本さんの語りかける言葉に傾聴するしかありません。
2019/10/13
壱萬参仟縁
2007年初出。原文→(口語訳or注記→)解説。66作品に及ぶ充実の内容。世阿弥『風姿花伝』(049頁~)では当時まだ人生50歳という頃。寿命を超えての演技への洞察。池坊専応『専応口伝』(052頁~)。福澤諭吉『瘠我慢の説』(078頁~)。岡倉天心『茶の本』(255頁~)。夏目漱石『文学論』序(259頁~)。英国留学のケンブリッジやオックスフォードの学生は金持ちが多く、漱石にとってはむしろロンドンに移って散歩、図書館、芝居見物した。自己流の学び方をつくったのは偉いと思う。神経衰弱は風評で勉学に打ち込んだ。
2013/05/14
bittersweet symphony
古今の文章アンソロジーに吉本さんの解釈を加えたもの。とはいえ解釈のほうのボリュームがかなりあって、吉本著作を読んだ感覚には十分になれます。チェンバレンの日本論を除けばすべて日本人による文章で、全体のトーンとしてはアニミズムから内村ら日本近代のキリスト教受容や新興宗教まで続く日本の宗教観に関わるものが主に集められていると言う印象。それぞれの文章の切り取られかたの妙技を堪能するには読み手側の蓄積があまりにも無いのが辛いところ、これらの文章に対して批評的に読み込む事ができないもどかしさがありますね。
2015/04/22
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