売笑三千年史 (ちくま学芸文庫)
売笑三千年史 (ちくま学芸文庫) / 感想・レビュー
桑畑みの吉
売春の事を昔は「売笑」と言ったらしい。本書は古代から明治時代にかけての売春の歴史を解説も含めて700ページで論究する大作となっている。売春と言っても巫女や尼の様に宗教的な結びつき、音楽や踊りの様な芸能との結びつき、もちろんただ体を売るだけの下層の娼婦も居たりして時代と共に多くのバリエーションがあるのが興味深かった。本書は昭和2年に出版された同名タイトルを原本にしている。今では常用されない漢字が多用されており非常に読みにくい。また漢文で書かれた引用資料も現代語訳がなく殆ど理解できないのが残念であった。
2021/04/05
水菜
時代性とはいえ、女性蔑視的な書き方に違和感を感じた。引用文や挿絵を追っていくだけも歴史の流れを感じられて楽しい。
2014/02/18
メーテル/草津仁秋斗
日本における売笑の歴史を、様々な文献や里謬、現在行われている民俗を手掛かりに解き明かした本。戦前であるので考え方がやや昔気質な面はあるが、しかし当時だからこそ残っていた資料なども駆使されていて、とても参考になる。もっと再評価が進んで、民俗学の幅が広くなればいいと思う。
2015/05/15
鏡裕之
遊女・娼婦の起源は巫女にある……。そこから日本の娼婦の歴史を始めて姪島で。力作、大作と言っていい。しかし、著者は娼婦の存在に対して非常に否定的である。娼婦なんて存在は一切なくなってしまえばいいと思っている。偏見で書かれてしまったのが、なんとも残念、なんとがっくり。
2013/12/09
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