観無量寿経 (ちくま学芸文庫 サ 33-1)
観無量寿経 (ちくま学芸文庫 サ 33-1) / 感想・レビュー
ホシ
浄土三部経の一つ『観無量寿経』を佐藤春夫が訳・注をほどこし、石田充之が解説した本。佐藤氏は篤実な浄土宗の信者だったらしく、文章からは阿弥陀LOVEをひしひしと感じた。懇切丁寧であり、です・ます調なので親しみの湧く内容だった。石田氏の解説は難しい部分もあって全部は理解できなかったが、『観経』を観察経典と読むか、救済経典と読むかが、後の浄土教の岐路になったという内容だったと思う。救済経典と読んだのは善導であり、法然がそれを受け継ぐ。『観経』を通した中国・日本における浄土教の展開も俯瞰できて、面白かった。
2016/09/25
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