あそぶ神仏: 江戸の宗教美術とアニミズム (ちくま学芸文庫 ツ 7-4)
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あそぶ神仏: 江戸の宗教美術とアニミズム (ちくま学芸文庫 ツ 7-4) / 感想・レビュー
吟遊
「遊戯」「アニミズム」を日本美術の、この本ではとくに江戸美術の面白みとして取り上げている。円空をはじめとする仏像を彫りながら、東北・北海道などさまざまな地域へ旅した僧侶、また、白隠をはじめとする禅画の面白み、凄みをみていく。もともとが論集(初出はばらばら)なので、話題も散る。そのため、肝心の「あそび」「遊戯性」がなにかは、思想的には論究されないのが残念。おまけ:北斎晩年の絵から取られた装丁がとってもよかった。
2017/02/01
うた
一見、雑然としながらも滋養が豊かな土地のように信仰と芸術が上手く融合している日本の宗教芸術。白隠や蕭白なんてゲテモノもいいところなのだけれど、絵から発せられるあの力強さは認めざるをおえない。同時に彼らの強烈さがあったからこそ、日本ではきれいに体系化された西洋文化への憧れも生まれたのだろう。若冲は時間とってゆっくり見て回りたいものだ。
2015/04/19
mittsko
知らないことばかりで大変興味ぶかく読んだ しかも読みやすいので、あっという間に読了、ありがたい一冊です(。・ω・。) 日本美術史の業績として本書を評価する才覚はボクにはないので、巻末の矢島新「解説 辻惟雄の眼―新たな価値の提言」における、非常に包括的な書評論文をそのまま鵜呑みにしておきます 一方、私なりの評としては… 本書があつかう(京都日文研系の)アニミズム論は きわめて問題発見的ではあるけれど、そのままでは空疎にすぎる、と思いました 歴史と思想による充填と改変が必要なのだなぁ、と
2017/05/22
くれは
辻先生は日本美術の特色として「かざり」「あそび」に加え、本書で「アニミズム」を挙げられています。これらは、私の理解では、日常に寄り添ったもの、気楽で楽しいもの、自然への畏怖と敬慕の念を表すもの、と言えると思います。しかしよく考えてみると、これらはアフリカや他のアジアの美術にも見られるものなので、日本美術のみの特色とするのはやや言い過ぎではないかとも思います。しかし、より発展させて、このように言うことは出来ると思う。(コメントへ)
2015/05/18
はちめ
白隠について再認識することができた。ただ、この本全体をアニミズムで括ることにどれだけ意義があるかは不明。図番も多く読んで楽しい一冊です。
2015/06/26
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