夜の鼓動にふれる: 戦争論講義 (ちくま学芸文庫 ニ 12-1)
夜の鼓動にふれる: 戦争論講義 (ちくま学芸文庫 ニ 12-1) / 感想・レビュー
しゅー
★★★『哲学史入門Ⅲ』の推薦図書である。『構造と力』はベタすぎる気がして本書を先に読む。「現代思想」について世界戦争という切り口を使って解説した本だ。タイトルが文学的だが、中身は大学の講義を元にしているだけあって哲学史の良い副読本となっている。ただし「現代思想」と言ってもヘーゲルからスタートしてハイデガー、バタイユ多めなので、人によっては期待と違うかもしれない。本書が書かれたのは湾岸戦争の頃のようだが、世界戦争への入口をのぞきこんでいる現在だからこそ、読み返す価値のある本ではないだろうか。推薦図書も多め。
2024/07/02
にたいも
大学1・2年生次科目「現代思想」で戦争を論じた講義録。客観的すぎる記述に、読んでいて悲しくなり胸が詰まるところもあるが、現代で語られていることの源を知ることができた。〈〈ヒロシマ〉の悲惨さは、多くの人が死んだということよりも、いずれ死を運命づけられたにしても人びとがこの一瞬を生き延びたからこそ生じたのです.〉(1995;2015)
2024/05/26
sk
「夜」としての戦争をテーマとした現代思想入門。文体が冴えている。
2021/10/11
暗頭明
単行本が出た時(1995年)に読んで以来、20年ぶりの再読。メモ:その後の20年について補講(「テロとの戦争について」)、参考文献はこの20年を反映して加筆修正、p.18の「ところがここ二〇年近く」は1995年版のままの表記(つまり文庫版発行時からすれば四〇年近くの謂)、『神様はつらい』への言及(2015年『神々のたそがれ』として上映されたのを見、翻訳も読んだが、本書で紹介されていたことは全く思い出せなかったため、今回の再読でその名を目にして驚愕する)。
2015/10/24
kentaro mori
面白い!「戦争」によって市民であることを自覚し、「戦争」によって「世界」を意識することができる、という皮肉。しかしこれが現実だ。
2019/09/17
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