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柄谷行人講演集成1985-1988 言葉と悲劇 (ちくま学芸文庫 カ 43-2)

柄谷行人講演集成1985-1988 言葉と悲劇 (ちくま学芸文庫 カ 43-2)

柄谷行人講演集成1985-1988 言葉と悲劇 (ちくま学芸文庫 カ 43-2)

作家
柄谷行人
出版社
筑摩書房
発売日
2017-05-10
ISBN
9784480097712
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柄谷行人講演集成1985-1988 言葉と悲劇 (ちくま学芸文庫 カ 43-2) / 感想・レビュー

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踊る猫

柄谷行人を読むとはどういうことなのか考え込んでしまう。柄谷の思考を自分なりに敷衍して好き勝手に(口真似で)語るべきか、それともここは柄谷にならってきっちり修練を積むべきか。ぼくはずっとこれまで前者のスタンスで(どうせ難解な哲学などわかるわけがないと思って)本を読んできた。だが、それは柄谷のタームで言えば「他者」「外部」を持たない思考の作法ということになるのだろう。でも、だったらどの時点で柄谷なら柄谷の思考は自分のものとなったと言えるのか。どのように理解しても常に誤読・誤解の可能性がある……そんなことを思う

2023/09/09

踊る猫

頭脳派の思考マシーン、という印象があった柄谷。だが、この講演集を読み返してみるとデカルトやスピノザ、ニーチェの哲学の身体感覚、そして「この私」「他者」との関係から生じる生理的なディスコミュニケーションへの違和感をテツガクとして昇華していることがわかる。つまり、柄谷は結構肉体派なのではないか。柄谷がバスケットボールの選手だったことは聞いたことがあるが、実は思考を駆使するにあたって自分の実感から立ち上がるものを素朴に考察の遡上に載せて、そこから自分の感情/情念を整理しようとしていることが伺える。そこが興味深い

2020/07/01

またの名

「男/女なんて他にいくらでもいるよ」と言われても取り替えられない「この人」を失った失恋の悲しみに沈んでた人間が、半年も経たずに別のこの人を見つけリア充ライフに戻る、単独性と一般化可能な個別性との揺れ。単独性と唯一それを示す固有名、共同体に同化され得ない他者、デカルトやスピノザの独自解釈など探求シリーズで論じていた事柄を、噛み砕いて説明している講演集。次々と生成する日本の古層を論じたがった国学者たちから丸山眞男やフェミニストまでをも、どこの共同体でも生成論を持つと言い切って一掃する切れ味の鋭さが全編に出現。

2019/03/19

ずー

『政治、あるいは批評としての広告』目当てで読んだが他のところも面白かった。「共同体」の思考から抜け出すことというのが通底するキーワードになっているように思うが、2022年現在読むと今の日本の”保守”化への警鐘としても受け取れるものがあるように感じた。 ”ファシズムには、大衆を魅きつける何かがあった。それを忘れることのほうが危険ですね。”

2022/12/24

masanari

複数の講演録だが共通しているのは関係性への言及だ。共同体内でのコミュニケーションは対話ではなく独白。自分とは異質な他者と出会い、交わってはじめて対話となる。初柄谷は面白い箇所もあったけどハマりはしなかったかな。

2021/04/03

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