ちくま文学の森 6
ちくま文学の森 6 / 感想・レビュー
KAZOO
思いがけない話というのは確かに物語になるのでしょう。O.ヘンリーの改心、モーパッサンのくびかざり、ゴーゴリの外套などは有名で何回読んでもうまいなあと感じます。また落語の蛇含草などは「あたま山」と並んでシュールな落語です。日本人の芥川の魔術、乱歩の押絵と旅する男も楽しめます。いいアンソロジーです。
2017/06/19
帽子を編みます
これは素晴らしかったです。どれも思いがけない話でした拍手。モーパッサン「くびかざり」このやるせなさ、教訓ではなくてただ物語に圧倒されます。ゴーゴリ「外套」、今回はしっかり読みましたがこの細かな描写、焦げ付くように煮詰めて表現する語り。チェーホフ「煙草の害について」も語りが良し。アレー「親切な恋人」ほかでも読んだ気がします。やっていることはグロですがペイネの恋人たちのような清廉な印象。ボンテンペㇽリ「頭蓋骨に描かれた絵」本当に思いがけない話です。久生十蘭「湖畔」何回でも読みふけってしまいます。続く〜
2023/12/29
るんるん
江戸川乱歩の「押絵と旅する男」久生十蘭の「湖畔」芥川龍之介の「魔術」など、多数の作品が収録されている。物語を運んでいる世界には幽玄さも感じられ、人生の深淵を覗き見ているような気がした。菊地寛の「仇討三態」では三態目に意表をつかれた。身近に親への忠義を果たさんとする女がおろうとは・・男の終焉が気の毒だが滑稽だ。幸田露伴の「雪たたき」では、忠義を念頭に置く時代の価値観に男の苦悩が見える。投げ込まれた首とはいったい誰のだろう。作者はなにを言わんとしていたのだろう。オチの「思いがけなさ」に謎が残る。
2016/12/28
メタボン
☆☆☆★ 既読のOヘンリー「改心」サキ「あけたままの窓」芥川「魔術」乱歩「押絵と旅する男」は何度読んでも良い。モーパッサン「くびかざり」のオチはすぐに読めた。講演内容がそれていくチェーホフ「煙草の害について」も良く出来ている。ホフマン「砂男」は青年の狂気が恐ろしい。菊池寛「仇討三態」は武士になりきって見得を張ったがゆえに命を奪われる3つ目の話が面白い。ゴーゴリ「外套」は幽霊になって外套を奪うようになる九等官の悲哀が印象的。久生十蘭「湖畔」は陶の性的魅力が半端ない。幸田露伴「雪たたき」は歯が立たなかった。
2017/01/10
loanmeadime
100分de名著に合わせて「砂の女」を読んだので、「砂男」も読み直そうと借りてきました。20篇の短編と数学者森毅の解説からなります。望遠鏡で覗いて狂気に陥る「押絵と旅する男」と「砂男」の両方が読める構成で、「おもしろいという以外になんの意味もない言葉の森」と浅田彰氏が付録で褒めるように、物語を堪能できる一冊でした。ゴーゴリ「外套」が読めてよかった。桂三木助演ずる「蛇岩草」、おとっちゃんの褌がいじめるww。他のも読もうと思います。
2022/06/20
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