ちくま文学の森 別巻
ちくま文学の森 別巻 / 感想・レビュー
KAZOO
「ちくま文学の森」15巻に収めきれなかった人気のある作品を別巻としてくれたようです。澁澤龍彦の「空飛ぶ大納言」は以前に「唐草物語」で読んでいましたが、再読しても楽しめました。また海音寺潮五郎の「極楽急行」、石川淳の「鷹」は未読ですがかなり興味深いものでした。海外作家の作品もあるのですが、既読のガルシンの「赤い花」しか印象に残りませんでした。
2023/03/07
メタボン
☆☆☆★ 海外作品は面白くなかった。梅崎春生「ボロ家の春秋」の同居人の縄張り争いがユーモラスで面白かった。石川淳「鷹」は題名と全く関係ない、煙草の密造組織の寓話。緊密な日本語が素晴らしく、シュールな世界観が良い。澁澤龍彦「空飛ぶ大納言」、古典を題材として幻惑的な澁澤ワールドを楽しめた。海音寺潮五郎「極楽急行」、悪太夫がひたすら浄土を目指して西へ進み、最後は見事な往生を遂げる。室生犀星「生涯の垣根」は再読。骨董品のような文章はやはり良い。岸田国士「チロルの秋」のセリフは甘ったるい。他、島尾敏雄「島の果て」。
2017/09/30
訪問者
石川淳「鷹」が何とも奇妙でSFと幻想が入り混じった極めて現代的な作品だった。T・ウィリアムズ「ガラスの少女像」に出てくる姉弟も21世紀の日本にいてもおかしくないようなリアリティがある。ガルシン「赤い花」は中学生以来で大変懐かしい。他にも島尾敏雄「島の果て」、レスコフ「かもじの美術館」、中山義秀「平手造酒」、海音寺潮五郎「極楽急行」、梅崎春生「ボロ屋の春秋」とこの巻は本当に奇妙な作品が多い。
2023/10/10
はと
古今東西の短編集。なにが「もうひとつ」なのかもうひとつよくわからない。普段読まないタイプの話も読めたのはよかった。
2015/04/02
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