明治の文学 (第16巻)
明治の文学 (第16巻) / 感想・レビュー
kthyk
ふるいものを壊し、新しい言葉を新たに作る。その時全てを壊すのではなく、いいものは残す。「柳橋スケッチ」自体が5つの短編で作られているが、その中の一つの短編「海岸」は4部に分かれている。内容は時間が行ったり来たりする複雑な構成。それは時間のズレを読者と共有しようとするもので、絶えず揺れ動いているような文章だ。藤村は小さな短編を書いているのだが、それは大きな長編小説。だからこそ、その全体を「スケッチ」と呼んだと、何処かで堀江さんが書いていた。そう言えば島崎藤村も村上春樹、共に春樹。ボクはハルキストのようだ。
2020/10/24
愁
近い様で遠く、遠い様で近い藤村 透谷のカップリング短編集。手に入りやすい文庫等には未収録の作品がメインの構成で、おまけに面白い物が多く、両人のファンにはもちろん、どちらかのファンにもオススメです。個人的には藤村の作風で落ち着き、透谷の作品で鼓舞されるといった感じでした。この「明治の文学」シリーズは、他にも興味深い物が多く、この時代が好きな方にはたまらないでしょう。
2015/04/12
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