ちくま日本文学全集 24 梶井基次郎
ちくま日本文学全集 24 梶井基次郎 / 感想・レビュー
遠野
梶井は哀しくてさびしくてあかるい。透明な、眼の奥が白く染まるような光。なんでもないことを作品に昇華してしまうだけの感受性。五感に鋭く訴えかける筆致。改めて魅了されたのは、特に『檸檬』『桜の樹の下には』『冬の蠅』『冬の日』『ある心の風景』。『檸檬』については、これを二十四歳で完成させたことに対して無性に泣きたくなってしまう、やはり珠玉の一篇。群ようこさんの解説も愛に溢れて素晴らしかった。梶井について語り合える友人が、私も欲しい。
2012/06/29
ykshzk(虎猫図案房)
「檸檬」は梅雨前のこの季節に読みたい。それ以外の短編でも、「小鳥達!」「革命家ではないか!」「爪のない猫!」・・などなど、文中にたびたび「!」が出て来るのは心地よいリズム。前半の短編に限って言えば、動物への観察眼と想像力(妄想?)が何とも可愛らしくて微笑ましい。猫の耳を竹の子の皮に例えるなど、天才的としか思えない。そしてその耳を「切符切り」でぱちんとやってみたいと妄想するのも、爪を全部切られて困っている猫の姿を想像するのも、なんとも自由な感性と表現力。群ようこさんの解説にあるように、五感が活性化される本。
2015/06/02
芙月
物事に対する視点が好きすぎる。梶井のような多角的視点を持ちたい。そしたらもっと面白い話がかける気がする。
2019/01/29
aki246
桜の樹のしたには屍体が埋まっている!
2008/12/02
Chunko
ちくまの1000円の本、とうとう買った♡うれしいけれと続けて読んでるとだるくなって落ち込んでくる…芥川龍之介はずっと読んでても平気なんだけど。この人のはすごい「病気」って気がして。でも「Kの昇天」はやっぱりいいなあ。
1994/01/16
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