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解剖学教室へようこそ (ちくま文庫 よ 6-6)

解剖学教室へようこそ (ちくま文庫 よ 6-6)

解剖学教室へようこそ (ちくま文庫 よ 6-6)

作家
養老孟司
出版社
筑摩書房
発売日
2005-12-10
ISBN
9784480421616
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解剖学教室へようこそ (ちくま文庫 よ 6-6) / 感想・レビュー

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molysk

人間のからだを、何のために解剖するのか。一つは、医学の役に立つため。あるいは、人間が自分自身のからだを知ろうとする、好奇心のため。解剖の歴史は、知的探求の歴史である。解剖が発展を遂げたのはルネサンス期のイタリアで、日本には「解体新書」で西洋の知識が広がった。西洋の考え方は、世界を階層としてとらえるもの。からだの階段は、分子、細胞、組織、機関、からだへと上がっていく。筆者は西洋の考えの便利さは認めるも、異なる考え方も模索する。生と死、人間と機械、心とからだ。これらを分けるものは何か。筆者の問いかけは深い。

2022/09/04

眠たい治療家

解剖学という学問の発生や発展を軸に、独特の見方でヒトという存在を考えていく。日本の解剖の始まりと、海外の解剖の始まり。そして発展。昔の日本や中国、西洋医学の違いや歴史なども単純に面白いが、それに付随する養老孟司氏の視点と話の展開はとても興味深い。人体とは何か。細胞の集まりのどこからがヒトであるのか。死体はモノか。言葉が持つ力とは何か。心とからだについてなど。養老氏のモノの見方と考え方は、いつも思いがけない発想であり刺激的で、なぜだろうという問題提起が素晴らしく巧みである。そして、どこか哲学めいている。

2012/11/12

しゅわっち

最初は、面白かった。解剖により何がわかるかを解説してくれる。しかし、自分の知っている知識の話が出てきて興味が半減してくる。著者がとても人気があるのは、有名大学の教授だったことと現代が、役に立つ知識にしか興味のない様子を批判的に見ていることのように感じた。自然が完璧に理解できないのに、分かった範囲の知識で、全てを解決しようとする人間の愚かさを批判しないで表現してるように感じる。

2021/05/23

姉勤

今ではおなじみとなった著者の初期エッセイ。”解剖学とは”に初まり、自身が解剖学にすすんだ経緯、解剖学の意味から学問の、ひいては人間の探究心と蒙を啓く事意味、皮層に隠れた繋がりを識り、知識を血肉にする。そして、物事を見定める「コツ」をレクチャーする。

2015/10/29

canacona

解剖学の成り立ちや人体について、養老先生らしい、ハッとさせられるような視点でお話してくれています。どうして怖いのか、誰が解剖を始めたのか、モノと人の境界線、身体と心の境界線、そして人間と機械の境界線も。全部基本は解剖学についてのお話ですが、物事をいろんな目線で見る養老先生の考え方に、感心させられました。解剖学自体のお話ももちろん面白い。もともとは医者よりも、芸術家が絵画や彫刻のために解剖学を重視していたという。ダヴィンチの描いた解剖図は見事でした。こんな授業聞いてみたいな。いや、授業はもっと難しいのか😅

2020/10/25

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