反骨 (ちくま文庫 か 47-2 金子光晴エッセイ・コレクション)
反骨 (ちくま文庫 か 47-2 金子光晴エッセイ・コレクション) / 感想・レビュー
kinkin
金子光晴エッセイコレクション3冊のうちの1冊。社会/個人、男/女、青年/老年の各章に分け金子光晴氏が語る。戦時中のことや戦後のせいじのこと、反戦、アナーキーや亡命のこと。そして男女関係のこと、老いのこと。特に男女関係のことはほんとうにあけっぴろげで自由に書かれていると思った。吉行淳之介氏との対談もかなり面白い。潔癖な心をお持ちの方は読まないで。
2018/11/11
壱萬参仟縁
例えば、1955年に書かれた、階級意識とか階級差別の問題。現代の格差意識や格差社会にも繋がる内容に思えた(30頁)。「忘れたふりをして、十年、二十年、いつ、どこまで最悪の状態がきている」(48頁)。つまり、原爆は原発に置き換えられた。本質は放射能汚染による健康被害。半世紀以上経ってもこのザマなのか。年頭にあたり、出鼻をくじかれ、愕然とさせられた。ということは、戦後日本とは何だったのか。「アジア人で、アジアの意(こころ)をもとうと心掛けている者はいない」(67頁)。欧州旅行帰国の富裕層への批判に聞こえるが。
2014/01/02
hiratax
アジアと言えば金子光晴という組み合わせはベタすぎる。金子光晴は長生きしたけれど(無茶苦茶やっていた割には)、戦後は一度も海外行をしていない。海外旅行に金がかかったというのもあるだろうけれど、思い出の場所を再訪しないという選択もあるのだ。
2016/09/08
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