KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

文化防衛論 (ちくま文庫 み 13-13)

文化防衛論 (ちくま文庫 み 13-13)

文化防衛論 (ちくま文庫 み 13-13)

作家
三島由紀夫
出版社
筑摩書房
発売日
2006-11-08
ISBN
9784480422835
amazonで購入する

文化防衛論 (ちくま文庫 み 13-13) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

さらば火野正平・寺

憂国忌も近く、読むと何となく格好いい様な気がして本書を手にした。一読、大変難しかった(笑)。解る部分、解りかねる部分がせめぎ合う。久し振りに解るまで繰り返し読むタイプの本を手にしたのだ。私には途中の磯部浅一論が面白く、磯部の獄中手記が読みたくなった。あと『学生とのティーチ・イン』は話し言葉故の解りやすさがあった。『文化防衛論』の内容を三島由紀夫自身が噛み砕いていた。しかし三島に生意気な口をきいている大学生達は、今どうしているのだろう?。今も何かの主義を信奉してはいるまい。ラストの文章の予言は的中している。

2016/10/06

なかなかの読み応え。チェコ問題、大東亜戦争、マッカーサーの政策、自衛隊、ボディビルのこと等、三島の意見が盛りだくさんです。前半の文化防衛論は私にはやや難しい部分もあって、何とか言ってることがわかったという感じ。後半の学生との対談は見事!当時の学生も三島由紀夫に劣らず賢い人が多くてすごいです。三島由紀夫は、対談でも執筆でも、口調が同じ(笑)。しゃべってもキレイな日本語だなぁと思います。

2015/04/05

優希

三島の論理と行動が伺える書。「最後に譲られねばならぬ日本」を求める展開は三島の文武両道の精神が見てとれました。

2023/12/06

さきん

持論を述べた前半部と学生からの質疑応答の後半部。後半部の方が対談になっていて読みやすい。ほとんど話はかみあっていいないような気がするが、著者の保守的な考えがにじみ出ている。文化は多様性の中から生まれるという点で、一つの理想以外を監視して廃し、粛清してしまう共産主義とは一線を画す。戦前の天皇制は、元老がいない中の統帥権の独走という点で、戦後は軍事からも完全に象徴して分離されてしまっている点で不十分と説く。暗殺を認めるロジックもチラホラ。もっと頭が冴えている時に再読したい。

2018/11/19

しゅん

三島にとっての「天皇」は、文化、というよりも芸術の根拠として存在している。日本における文化は天皇によって長時間を生きてきたのであり、天皇なしには文学や美術、あるいは生活様式やコミュニケーションも瓦解する。そして、日本の文化は「菊と刀」である以上、文武は共に残さなくてはいけない(この両道が「芸術」だと思う)。天皇という「文化」を残すために、三島は民主制を消極的に支持する。そして、じりじりとした戦いや交渉を無視して夢を語る共産主義を拒絶する。70年の自決につながる、決闘と暗殺の肯定も語られている。

2021/12/13

感想・レビューをもっと見る