多重化するリアル: 心と社会の解離論 (ちくま文庫 か 22-5)
多重化するリアル: 心と社会の解離論 (ちくま文庫 か 22-5) / 感想・レビュー
わ!
部屋の整理をしていて、出てきた一冊。今更ながらではあるのだが読んでみた。タイトルからして多重人格の話なのかと思ったが、多重人格の話は、ほんの書き出し程度で終わってしまい、あとは2001年〜2005年当時の世界情勢と、それに関する社会心理学から見た見解の様な意見が書かれている。当時を思い出しながら、書かれている世の中の「読み」が実際にはどのように動いたのかを考えながら読むと、読みの当たり外れがよく分かって面白かった。(種明かしされた後の手品を見ている様な感じの…ちょっとズルい読み方かもしれませんね。)
2023/05/16
白義
この本は香山リカの、一番まとまった代表作と言えるだろう。基本認識は大澤真幸などに近く、現実感が多元化した社会で、それへの適応として解離的な人格になったり、現実への逃避=暴力やポピュリズムへの傾斜が増えていくのでは、という話。いろいろな香山リカの単発著作の根幹にあたる認識が示されていて、他の著作を読んでから読むとこういうことを言いたかったのね、とスッキリする。しかし哀しいかなよくも悪くも、旧いサヨク的な権威主義、俗情を捨てきれず戸惑っているだけ、という印象もある
2012/07/24
りょ
多重人格というより社会現象に踏み込んだ一冊だった。
2013/05/21
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