石川淳長篇小説選 (ちくま文庫 い 24-5 石川淳コレクション)
石川淳長篇小説選 (ちくま文庫 い 24-5 石川淳コレクション) / 感想・レビュー
okadaisuk8
長中編3作収録。軍歌の足音が聞こえてきた戦前と、学生運動はなやかれし戦後、それぞれ同時代をテーマにした二つの作品はちょっと観念的過ぎる気がして、私の読解力や知性ではかみ砕ききれず。それに比べると、大胆にも古事記よろしく日本開闢のころから、進んで南北朝ごろまでを神話的に創作した「八幡縁起」では想像力は自由に駆け巡り、「里と山」といった対比も分かりやすく描かれ、ぐいぐいと引き込まれる。
2017/06/29
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