懐かしい人たち (ちくま文庫 よ 17-5)
懐かしい人たち (ちくま文庫 よ 17-5) / 感想・レビュー
じいじ
今は亡き吉行淳之介が、作家人生で交際のあった50余名の作家の思い出を語る。キレのいい文章で描かれていて面白く読了。吉行が愛読(文中では「熱読」)した石川淳との一夜。森茉莉の葬儀の裏話。柴錬のレクチャーで初めて描いた時代物「鼠小僧次郎吉」の話。向田邦子にご馳走になった席での話はおかしかった。「女流作家の美人は?」の話に、吉行は名前に『美』のつく人を選べと提案。瀬戸内晴美、金井美恵子、宮尾登美子が選ばれた。後日談で倉橋由美子を忘れていた、と書いてある。井伏鱒二、佐藤春夫、立原正秋・・残念だが字数が足りない。
2014/11/15
佐島楓
この年代のかたではまだまだ知らない作家が多い。追悼文ばかりなので、哀しい気持ちで読んだが、ここには淳之介さんなりの人生そのものが書かれていると思う。
2013/04/01
katoyann
著者晩年のエッセイ。森茉莉、大岡昇平、舟橋聖一、色川武大、志賀直哉、内田百閒、澁澤龍彦、開高健といった錚々たる文士の名前がずらりと並ぶ。赤線の話がやや多い。文学評論を読んでいると、作家らしい多読家であり、村上龍を芥川賞の選考で強く推薦したのも彼だったということで、随所に文学者らしいところが見える。ノンポリの自由人というイメージだが、風俗の話が結構あって、ヘンリー・ミラーを愛していたところを見ていると、日本の作家ってエロを反権威や自由と結びつける傾向があるのかなぁ、と思う。文体は好きなんだよね。。
2024/09/03
わった
穏やかさが出ていてとても心地よいエッセイ集でした。故人との思いでが綴られており、自身は会ったことがない文豪たちですが、悲しいというか寂しい気持ちになりました。吉行淳之介の小説も読みましたが、私はエッセイの方が好きだな。
2015/12/24
takao
ふむ
2024/04/11
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