童貞小説集 (ちくま文庫 こ 30-2)
童貞小説集 (ちくま文庫 こ 30-2) / 感想・レビュー
とうゆ
タイトルに惹かれて読了。三木卓の「炎に追われて」ではもてない男の悲惨さや性格のゆがみがリアルに書かれていて、読んでいて胸が痛くなった。しかし他の小説は、観念論に終始している気がして好きになれなかった。私は、痛々しく自分勝手で誰からも理解されず見下される、しかし切実に何かを求めて行動している男の小説が好きだからだ。
2014/06/21
Aminadab
これも積ん読消化。三木卓「炎に追われて」は傑作。しかし1957年の日本、ほんとうにみんな貧乏だなあ。『田舎教師(抄)』、恥ずかしながら初読み。中田舎(物流の大動脈利根川のほとりだから大田舎ではない)の遊郭での女郎買いが克明に描かれていて感心した。しかしこれもみんな貧乏。コールドウェル。子どもがバカでかわいいったらない。二葉亭『平凡(抄)』。こんなにスラスラ読める小説とは知らなかった。アミエルだけ何だかよくわからない。
2018/05/19
yamatoo
こう、頭でごちゃごちゃ考えてしまうあたり、すごく童貞っぽいよね。
2018/11/28
気鋭
「炎に追われて」読了。
2015/06/21
ねてた
童貞が登場する文学作品ばかりを収録した臭い臭い作品集。ただ、田山花袋の田舎教師に関して言えば、文学で身を立てたいと思いながらも、家計を支えるため田舎教師に甘んじた主人公が、環境に飲まれ、仄かに燻る焦燥感のなかひっそりと死んでいく、という『文学青年の挫折』をテーマとした名作なのに、『童貞』という部分のみを切り取った掲載をしているのには少し腹が立った。
2014/08/15
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