名短篇、ここにあり (ちくま文庫 き 24-1)
名短篇、ここにあり (ちくま文庫 き 24-1) / 感想・レビュー
セウテス
よく在るアンソロジーとは一線を引く様な、中々不思議な作品たちだと感じる。何の短編と聞かれても、たしかに答えに悩むだろう。しかし、どの作品も納得したり、ウケたり、名短編という意味に合っているのかは分からないが、心底楽しんだ。どちらかと言うと、語り口の良さや表現方法に特徴がある、宮部北村の両氏の好みという事だろう。私的には、この2人の作品に対するイメージが全く違うので、2人がそろって本作品をセレクトした理由が、ピンとこないのだが。読んでいる作家さんの、知らない作品に触れられるという点でも、たいへんありがたい。
2022/12/01
紅はこべ
名コンビ選による12篇。吉村昭「少女架刑」以外は初読。「少女架刑」が収められた『星への旅』は美しくて切ない短編集だったな。半村良「となりの宇宙人」小松左京「むかしばなし」はオチが良かった。円地文子「鬼」は山岸凉子を連想した。
2010/04/07
けんとまん1007
流石の名手揃い。と、言いながら、名前は知っていても初読みの作家さんも。それにしても、何とも凄いオチだったり、独特の世界だったり、飽きることがない。短編というと、ネタとオチで、かなりの部分、決まってしまうように思っていたが、なかなかどうして、読ませるものが多い。それに、いろんなテイストがあるのもいい。
2017/09/17
星落秋風五丈原
つくづく、宇宙人は、着陸場所の選択を誤りましたね。 いえ、映画の話です。最初から、日本に着陸していれば、 『地球の静止する日』『インデペンデンス・デイ』みたいに 「いきなり撃たれる」「鉄拳を見舞われる」なんて事態は 避けられただろうに。やっぱり肉食中心の欧米人は戦闘的なんですよ。農耕民族の日本人をご覧なさい。えらく前置きが長くなってしまったが、そんな穏やかな日本人と 宇宙人の遭遇を描いたのが、本書トップの『となりの宇宙人』。「嫌だ、宇宙人じゃない。」そして皆笑って「宙さん」と呼び名をつける。こののどかさ。
2008/02/20
おか
北村薫さんと宮部みゆきさん編纂した短篇集。2008年発行だから まぁ新しい方かな。私が気に入ったのは 「むかしばなし」小松左京、「少女架刑」吉村昭、「鬼」円地文子の三編。その他にも半村良、黒井千次、城山三郎、吉行淳之介、山口瞳、多岐川恭、戸板康二、松本清張、井上靖と錚々たる面々。「少女架刑」は献体された少女の体が バラバラにされていくのを少女自体が語っている ちょっと悪趣味だけど 興味深い世界でした。小松さんのは最後のクスってなる所が好きだし、円地さんのは 流石だなぁと感心しきり( ◠‿◠ )
2019/05/21
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