文学賞メッタ斬り! (ちくま文庫 お 58-1)
文学賞メッタ斬り! (ちくま文庫 お 58-1) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
爆笑できる文学賞関係の本なんてそうそうありませんよ。本書はありとあらゆる文学賞の内幕から歴史まで、「傾向と対策」とは一線を画しながらも実はしっかりとした「文学賞とは何か」について追求した本と言えるでしょう。二人の対談そのものが絶妙であることは言うまでもありません。例の大家ですら「ちゃん」付けなんですから。もちろん労作であることは巻末解説を待たずにわかります。
2014/05/15
眠る山猫屋
山猫屋が心酔する書評家・豊﨑由美さんの罵詈雑言が素敵過ぎる文学賞論。相方の大森望さんの博識と相まって面白過ぎる!文学賞の多種多様さ、歴史、裏側事情などなど知らなかったことだらけ。前半の審査員事情は実名で斬りまくり、大御所連中、特にジュンちゃん(渡辺淳一)やテルちゃん(宮本輝)、元都知事などの横暴さ残念さなどが明かされていて、ここまで書いちゃって大丈夫かと・・・(笑)角川春樹さんの偉大さ(?)やラノベ事情も奥深い。続けて読みたいな!
2018/06/25
ばりぼー
膨大な読書量に裏打ちされた、確かな書評家の発言なので、実に説得力があります。直木賞については、該当作なしがあったかと思うと、同時受賞があったり、候補作の顔ぶれを見ると選考結果に全然納得がいかなかったのですが、これを読んで疑問が氷解しました。選考委員に問題があったという単純なことだったのですね。文壇の大御所のテルちゃんとかジュンちゃん、ヒロちゃんのことをこんなに遠慮なく「老害」と叩いてしまって大丈夫なんでしょうか?お涙頂戴のあざとい小説に対して、「狙った演歌ポップス」というネーミングにナイスです。
2013/11/01
kana
おもしろくっておもしろくってページをめくる手が止まりませんでした。選評ってこんなにへんてこなんだーとか、谷崎潤一郎賞ってすごいんだ!とか、SF作家って苦労してるんだーとかいろいろトリビア的知識が増える。豊崎社長のあの毒のきいたつっこみは癖になるし、大森氏の博学ぶりには何度も感心させらる。そして何よりお二方の本へのなみなみならぬ愛に共感し、どこまでもついていきたいと、思うのでした。
2011/01/08
佐島楓
新人賞を受賞した作家が、本が売れず別の新人賞に再応募するという現実にちょっとがっくり来た。けど簡単にはめげませんよ!
2011/09/12
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