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世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい (ちくま文庫 も 19-1)

世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい (ちくま文庫 も 19-1)

世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい (ちくま文庫 も 19-1)

作家
森達也
出版社
筑摩書房
発売日
2008-03-10
ISBN
9784480424204
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世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい (ちくま文庫 も 19-1) / 感想・レビュー

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popcorn

著者は社会や世界に偏在する矛盾・逆説に敏感なのだなという印象です。著者は、人は善意・優しさゆえに他者への想像力を失いとても残虐になってしまうという逆説にもっと自覚的になることを促しています。この逆説に自覚的になれば、世界を単純な二元論で捉えて思考停止に陥らずに済むということのようです。「正義と邪悪、真実と虚偽、善と悪、などの二元論」で捉えられる程、世界は貧しいわけではないし、人は単純に優しいわけではない。タイトルに納得です。著者が撮った『A』や『A2』を観れない(DVD化されていない)のが残念です。

2014/02/19

空崎紅茶美術館

この人の考えは前からずっと変わっていないなと思う。人は優しい生き物だからこそ、正義という一言で、どんな生き物よりも残虐になれる。改心はしないくせに後悔ばかりを繰り返す。学習しない。私は映画を観ていないけれど、見えない何かの圧力は感じる。自分ひとりでは世界を変えられないと思い知らされて、でも変えたいんだと作者は言う。彼の本は、タイトルそのものに力があると思う。この一文には願いがこめられているのだろう。だから、私は、共有はできなくても想像はしたい。自分の考えを複数ではなく一人称で語れる大人になりたい。

2010/04/28

mataasita

温かい視点、鋭い視点、諦めない執念、譲らない負けない思い、迎合しない曲げない強さ。生きづらい人だろうと思うし、自由に生きていける人だろうとも思う。タイトルがステキ。そう思って生きていける人になりたいし、そういう子どもに育てたい。

2018/10/14

活字@れつだん先生

夢中になって読んだ。白人男性の「イラクを攻撃すべきじゃないと思ってるアメリカ人は多いがそれを声高に言えない雰囲気がある」という言葉が印象的。アメリカのイメージが変わった。部落の少女の話はかなりきつい。高名な右翼が「国体を持たない表層的な国粋主義は全体主義に繋がる」と言ったのがなるほどなと。シリア人男性が日本に失望したって言葉が重い。同じくだわ。

2021/08/05

こん

集団ではなく個であれ。そんなメッセージを受け取った。確かに「みんな」という言葉は便利だけど乱暴。その中に自分が入っているのかさえ曖昧。自分の目で見て、自分の頭で考えて導き出したコタエなら、正解も不正解もないんだろう。 この本のタイトルは、人に押し付けるんじゃなくて、自分の心が「うんうん、そうだ」と感じれていれば良いのかな、と思う。

2020/10/15

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