砂の審廷: 小説東京裁判 (ちくま文庫 ま 35-4)
砂の審廷: 小説東京裁判 (ちくま文庫 ま 35-4) / 感想・レビュー
rubix56
☆☆☆ 1h とばしながら、読了。 民間人として、A級戦犯となった、大川周明の話。著者が古本屋で、たまたま購入した古い日記。買った、当初はいつかの小説の資料になればという軽い気持ちであったらしい。日記の主は大川氏と非常に近しい関係であって、終戦から東京裁判ぐらいまでの大川氏との私的な交流が書かれている。よって、タイトルが東京裁判となっているが、大川氏の回りの話がかなりの割合を占めている。 また、小説の定で書かれているが、あまり、小説のようには感じなかった。
2015/02/12
うたまる
「困った噂が拘置所の中にある。大川さんはニセ気狂いを装っているんじゃないかとね」……東京裁判に召喚された唯一の民間人でありながら精神障害で免責された大川周明を軸に描くノンフィクション。副題に”小説”と付されているが、著者が偶然手に入れた史料の引用が多いためと、東京裁判自体の虚構性のため、かなり取っ散らかった印象を受ける。そんな混沌の中でもハッキリと光彩を放つ大川周明の知性。訊問調書の中で語られる彼の先見性や志向、大局観は一読の価値あり。軍人が彼に傾倒したのも無理はない。うん、奴なら詐病もアリかと思う。
2017/08/06
yoyogi kazuo
小説としての完成度は低いが、東京裁判と大川周明について松本清張が取り組んだ意義がこの小説の価値。昭和史発掘の補遺として読めば興味深い。
2021/10/15
スターリーナイト
2020-100
2020/12/16
emi kei
裁判関係資料を弁護士事務所職員の遺族が古書店に持ち込むとか、現代の常識からすると到底考えられない・・
2023/09/13
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