源氏物語 第2巻 (ちくま文庫 お 39-5)
源氏物語 第2巻 (ちくま文庫 お 39-5) / 感想・レビュー
ゆか
光源氏も20代後半になって、計算高い部分がチラホラ。途中明石に左遷されるものの、結局はほとんどが思い通りの世界。お金があってお金持ちで名誉もあって優しくて...なるほどモテル男の人は昔も今も一緒って事。にしても、この時代は男性にかかるお金は全て女性持ち。その女性も見た目重視。綺麗でお金持ちでうるさくなくって...。う~ん、現代よりもさらにハードルが高く、そこにさらに身分という自分ではどうしようもない事まで言われるとは...。難しい時代。
2018/01/29
アルピニア
不遇の時期から復権、栄華を極めるまで。この中では、「須磨」と「松風」が良かった。明石へ流される源氏は別れを告げるために親しい人たちを訪ねる。時世になびいて冷たくなるものもいるが、心から源氏を慕い悲しむ人とのやりとりが切ない。そして明石まで訪ねてくる頭中将との再会に心打たれる。「松風」では、明石の君の心情の発露された歌が胸に響いた。しかし、冷泉天皇即位後の大宮(藤壺)との強引な進め方はいただけなかった。源氏にとって大切な人たちが逝去し、息子「夕霧」の登場。源氏の人生にもだんだん翳りが感じられるようになる。
2016/03/26
赤い熊熊
モチベーションを維持するために、本文たる訳文は段落の始めの文やら文節やらだけを確認するだけでまともに読まず、「ひかりナビ」を中心に読みました。それだけで、筋は追いかけられるのと、背景となる事柄が大体つかめるのがこの本の良いところ。
2018/07/20
あいくん
☆☆☆☆花散里、須磨、明石、澪標、蓬生、関屋、絵合、松風、薄雲、朝顔、少女※光源氏と花散里、明石の君、六条御息所、秋好中宮、末摘花、藤壺、空蝉、朝顔、源典侍、雲居雁の十人の女性が登場します。須磨明石は、鄙びたところとされていますが、当時としては宇治と並んで都から遠いところでした。明石入道は桐壺更衣のいとこです。明石入道の娘の明石の君の雰囲気が六条御息所にそっくりというのは、明石の君の気品と知性を表します。明石の君は今で言うと、できる女、もてる女、間のいい女だと大塚ひかりさんは言っています。
2016/08/03
しんすけ
第2巻が扱うのは、「花散里」から「少女」まで。第1巻ではピカレスク的プレイボーイを演じた源氏も、本巻ではセクハラ親父に変質していく。その本領が発揮されるのは「玉鬘」以降になるが、変質過程において源氏の政治家的体質を明確にする式部の手腕には驚嘆させられる。このような男の変質過程を、心理描写を踏まえながら丹念に書き綴った書を、ぼくは『源氏物語』以外にが知らない。オースティンが『高慢と偏見』でビングリーなる詐欺師とも云うべき男を描いたのも秀逸だったが、『源氏物語』の驚ろ驚ろしさは読者をさらに引き寄せてやまない。
2018/08/09
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