源氏物語 第3巻 (ちくま文庫 お 39-6)
源氏物語 第3巻 (ちくま文庫 お 39-6) / 感想・レビュー
ゆか
光源氏の中年時代。30代中頃から40歳にかけて。何か読むのがつらくなるほど、中年オヤジ扱いを受け始める。どんな美男だろうか美女だろうが、年には勝てない。しかも生まれた時からずーーっと物語として描かれてしまうと、10代後半から20代にかけての青春時代と比べると、地位以外は全て下降線。自分にも当てはまるなぁ~と思えて、気分も下降線。昔の人は今よりずっと短命だったせいか、死んだ後の事もそろそろ考えはじめたりして。なかなか現実的なお話でゾッとする。
2018/02/12
アルピニア
玉鬘十帖と「梅枝」「藤裏葉」。玉鬘十帖は有名な「物語論」が含まれているが、私には今ひとつ。全体が精彩を欠いているような印象。夕顔の遺児玉鬘とのやりとりが延々と続く。その様子が「野分」で夕霧が評した「うとまし」に集約されていると思った。源氏は冷泉帝と朱雀院が自邸へ行幸という栄華極まる状態なのだが、衰え、出家願望、と不穏な空気が漂う。うってかわって雅やかなのが「梅枝」。明石の姫君の入内準備のため、源氏の周りの女性たちが薫物を競う。想像力がかき立てられ、まるで香りが漂ってくるような気がした。
2016/06/10
あいくん
☆☆☆☆玉鬘、初音、胡蝶、螢、常夏、篝火、野分、行幸、藤袴、真木柱、梅枝、藤裏葉※玉鬘十帖ということで、玉鬘が中心です。 近江の君、紫の上、真木柱、明石の君、明石の姫君、秋好中宮、夕霧、雲居の雁が主要登場人物です。夕顔の遺児の玉鬘は肥前の国で成長します。 その玉鬘に求婚しようと肥後の武士の大夫監が現れます。玉鬘は逃れて都へ帰ります。 玉鬘は源氏の養女になります。 源氏35歳、玉鬘21歳です。 27歳の紫の上も女盛りでとても美しいです。玉鬘は都で水を得た魚のように輝きます。
2016/08/13
しんすけ
第3巻が扱うのは、「玉鬘」から「藤裏葉」までの十二帖。 「玉鬘」から「真木柱」までの十帖は俗に「玉鬘十帖」とも称される。源氏物語のなかでも起伏ある面白い話が続く。それは光源氏凋落の道程でもあった。これらの帖の面白さは過去を追跡させる興にあるかのようにも観える。玉鬘とは、雨夜の品定めで頭中将が語る「あわれかけよ撫子の露」と女が求めた娘の成長した結果であった。また求めた女とは源氏とのセックスの最中に死んでしまった夕顔である。
2018/08/22
海
読み始めると止まらない面白さ。テレビや映画、マンガにネットなど様々な媒体がある現代に生きる私でもこんなにハマって読めるんだから、1000年前の娯楽の少ない時代だったらもっとすごい人気だったんだろうなと推測。この巻は夕霧が雲居の雁を正式に結婚できたところと明石の上が娘と再会できたところが個人的にグッときた。
2011/09/26
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