源氏物語 第4巻 (ちくま文庫 お 39-7)
源氏物語 第4巻 (ちくま文庫 お 39-7) / 感想・レビュー
ゆか
ここに来て、またまた新たに妻をもらう源氏。今回は自分から言い寄った訳ではなく、政治的な動きでそうなったとは言え、源氏だからそうなったんでしょう...。大切な人を亡くしかけた時に本当に好きな人が分かるんだろうけど、一体この人は本当に一番大切な人は誰なんだろう?と思えるくらい、その時々で思いがコロコロと変わる。40過ぎて落ち着いたとは言え、周りが放っておかない。この巻からは不幸しか感じられなかった。
2018/02/24
ひさしぶり
ややお節介なひかりナビが作品をゲスっぽくさせている感じ。有難い解説だと感じることもありますが‥。 朱雀院出家にあたり女三の宮を源氏に。二回りも年が違うよ!朱雀院50の宴の準備の中紫の上危篤。がその隙をついて柏木が三の宮と関係。それがバレちゃう。今まで知る事もなかった源氏の一面露見する。陰険ねちっこい。ほぼ源氏のパワハラで柏木没。あろうことか親友夕霧が未亡人を口説く。女は後ろ盾ないと生きていけない。
2019/12/23
アルピニア
源氏が女三の宮(前帝の娘)を正妻に迎え、紫の上の立場が揺らぎ始める。紫の上は有力な後ろ盾がなく源氏の愛情しか頼るものがない。帰るところもなければ、源氏の反対で出家することもできない。それに対し、女三の宮は、前帝の押しでさっさと出家してしまう。自分の罪を思い重ねながらも柏木を許せず衰弱死に追い込む源氏の老醜。それと入れ替わるような夕霧の暴走。翳りの見えてきた源氏世界で紫の上は己の人生を振り返る。「横笛」の帖は箸休めのような話だが、柏木と夕霧の絆、笛に託された柏木の想念が感じられて哀しくも良い話だと思った。
2016/09/06
あいくん
☆☆☆☆若菜上、若菜下、柏木、横笛、鈴虫、夕霧※光源氏も四十歳を越えてきます。源氏、柏木、夕霧、紫の上、朧月夜、女三の宮、明石の女御、真木柱、女二の宮、雲居雁が主要な人物です。朧月夜は天真爛漫に恋を楽しんでいますが、その自由は姉の弘徽殿の女御の絶大な権力に守られていたからです。源氏と朧月夜は14年ぶりに再会します。 源氏は40歳、朧月夜は31歳になっています。 源氏は朧月夜が拒みきれないのをみて、「落ちやすさは変わらない」と残酷に感じます。帰ってきた源氏に対して紫の上は気づかないふりをします。
2016/09/11
しんすけ
第4巻は、若菜上から夕霧まで。 「若菜下」を読んでいると、物語の領域を超えていると思えてくる。 ダンテの『神曲』のように人間に潜む心理葛藤が読者に伝搬し、近代小説を読んでいるような錯覚に捕らわれてしまう。 しかし『源氏物語』が書かれたのは『神曲』より300年ほどさらに昔である。 源氏物語を書いた藤原為時の娘は、四書五経に通じ兄弟よりも優れていたという。 彼女が物語でなく人間心理を描くに優れていたのは、『史記列伝』に通じていたからではないだろうか。
2018/09/05
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