源氏物語 第5巻 (ちくま文庫 お 39-8)
源氏物語 第5巻 (ちくま文庫 お 39-8) / 感想・レビュー
ゆか
源氏物語の主人公である光源氏が亡くなる。けれど、その亡くなり方は何も描かれていない。物語はその息子達の話に切り替わるが、父親?である光源氏と比べて、登場人物が少なく、関わる人物が限られた中での物語なのでかなり読みやすく感じた。とは言えやっぱり光源氏の雅な感じはなくなってる。今時の若者的な息子達の恋がどうなる事やら。。。
2018/03/11
アルピニア
御法がしみじみと哀しかった。紫の上が近しい人たちに別れを告げる場面が続く。粛々と旅立ちの準備が進む。紫の上と共に彼女の成長記録ともいえるこれまでの物語を思い起こした。明石の御方、花散里との哀しくも優雅な歌のやりとり。源氏の紫の上に対する最大の裏切り(三の宮を正妻に迎えたこと)と出家を許さない身勝手。彼女は自分の一生をどう感じて死を迎えたのだろうか。源氏の世を懐古しつつ次世代を描く宇治十帖。優雅さには劣るが、展開と心理描写に重点が置かれていて、話の先に心が引かれる。
2016/09/25
あいくん
御法、幻、雲隠、匂宮、紅梅、竹河、橋姫、椎本、総角、早蕨 光源氏の妻の紫の上が死去します。源氏は51歳、紫の上は43歳です。紫の上は老いの兆候が表れる前に亡くなりました。 美しい紫の上は美しいままで亡くなります。死に顔も美しいです。紫の上の女房たちは我を忘れて死を悲しみました。 紫の上の人柄の素晴らしさが感じられます。 紫の上を失った後、源氏は抜け殻のようになります。 源氏もやがて亡くなりますが、その様子は源氏物語には描かれていません。
2017/02/09
しんすけ
第五巻は、御法から早蕨まで。御法では紫の上の死が語られる。享年42歳。作者は、「夜一夜 さまざまのことをし尽くさせたまへど かひもなく 明け果つるほどに消え果てたまひぬ」と記すだけでそれ以上を語らない。十歳前後で源氏のロリコン趣味でロリータ生活を強いられた女に幸いが一度でもあったのだろうか。『源氏物語』では最高の美女とされる紫の上だが、一番不幸な女だったようにしか思えない。作者が多くを語らないのは、世の不都合を語る言葉など無いのを十分に知っていたからだろう。語らなくともロゴスは存在し得るのかもしれない。
2018/09/14
のんき
「雲隠」とか「宇治十帖」とか、言葉でしか知らなかったので、(現代語訳ではあるけれど)読んでみて、こういうことだったのか!という発見があるのが楽しい。
2010/02/01
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