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福の神と貧乏神 (ちくま文庫 こ 13-2)

福の神と貧乏神 (ちくま文庫 こ 13-2)

福の神と貧乏神 (ちくま文庫 こ 13-2)

作家
小松和彦
出版社
筑摩書房
発売日
2009-01-07
ISBN
9784480424907
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福の神と貧乏神 (ちくま文庫 こ 13-2) / 感想・レビュー

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in medio tutissimus ibis.

昔話における貨殖の因果物語は結果から原因を探し求める語りであり、異界からの与奪を受ける開放系にせよゼロサムゲームの閉鎖系にせよ、変動の少ないムラの社会はついに経済的変動の多いマチの論理を理解するよりも神秘的な説明を求めたのだ――という論を展開しつつ、バブル崩壊と経済の停滞は日本人が本当の幸せを見失ったからだという「道徳的」な語りによって本書が始まり終わるのは中々に高度な諧謔に思える。つまりはそれ程に人間は経済を統計を複雑系を理解し難く、またその理解し難いという現実を認められないという事なのかも知れない。

2019/11/02

ダージリン

一発逆転の成り上がりが農村では起こらないというのはなるほどと思った。確かに都市的な貨幣経済の場でなければ富が富を生む式の短時日での出世はあり得まい。その他、笠地蔵が授けた金銀の出所についてや、打出の小槌はささやかな願いのみにしか使われないという点など、これまで考えたことがない視点があり、なかなか面白い論考だった。

2015/10/25

三月★うさぎ

民俗学、面白いですよね。もっと若いときに出会ってたらどうなってただろう。

2009/03/14

sikamo

今も昔も人の世は世知辛い。

2016/05/13

寺内町亭小天狗

福の神と貧乏神とでは、どちらの神様に見守られていたいか。云わずと知れた福の神ではないだろうか。読んでいると、階級制度(士農工商)が作られた存在の意味とどうして階級から外れた人たちが存在したのか理解できた。 『橋のない川』[全七巻](住井すゑ著)を読むことで疑問点を解決できると思ったが、この書籍でなっとくした。道徳教育には、この一冊です。

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