百年の誤読 (ちくま文庫 お 59-1)
百年の誤読 (ちくま文庫 お 59-1) / 感想・レビュー
磁石
昔は数が少ないからすぐ成れて、今は読み手の感性が鈍麻したので成れた。この頃は携帯電話など、媒体の制限もかかって拍車がかかってきた。というか読まなくなってきた。「ベストセラーに傑作なし」そう言えてしまう悲しい現実がある。基本は酷評、アンチビルドゥングスロマンの『風とともに去りぬ』は酷評、貴種流離譚の『ハリーポッター』シリーズも酷評、サルトルの『嘔吐』は『キモッ!』でいい。改めてダメな部分を指摘されると、少々辛辣すぎるが的は得てる/見えてなかったことに気づかされた。さくらももこのエッセイ集は見たくなるかも。
2016/03/19
魚京童!
やっぱ戦争中は、生きてるよね。人生、生きてるよね。死の隣合わせだよね。だから生きてるんだよね。生きてることが死んでることの対岸にあるから、際立ってしまうよね。今の世の中なんて、死んでるよね。横たわってる。何も動かない。ただ生きている。それは悪くない。ただ花火が打ちあがったときのほうがワクワクするよね。
2024/07/06
猫丸
20世紀日本で売れた本を読み直す企画なんだが、ルール設定が惜しい。ほとんどノンジャンルで部数だけを指標にしているから「気配りのすすめ」とか「知的生活の方法」などが混入してしまう。だったら池田大作や大川隆法の本も取り上げなければいけないはずだ。そのへんを「逃げ」といわれたらお二人はどうする? であるからして少なくとも「文芸書」とみなされるものに限定した方がよかった。そのうえで「世界の中心で〜」(けものじゃないほう)や「失楽園」(ミルトンじゃないほう)なんかをコキおろすのならわかる。
2023/09/26
牧神の午後
もう読んでいて爆笑ですよ。20世紀のベストセラーを10年毎に区切って、読んで書評対談。中には現在では入手困難なものが合ったりするのが時の無常を感じる。特に時代が下れば下るほど、馬鹿げた作品が多くなって、著者の毒舌も冴え渡り、こちらも「ですよねぇ」状態。勿論、全部が全部著者達に賛成ではなくって、個人的にハルキやバカの壁は過大評価でしょ?と思うし、北杜夫はやっぱり良いものですよと反論もしたくなるのも愉しい。そして何と言っても自分の知らない楽しめそうな本がまだこれだけある、という喜び!
2017/07/29
xx_ko
再読。本文中で命名されている「だらしな派」ベストセラーがじゃかすか売れているのは、普段本をあまり読まない層の人たちを書店に向かわせる原動力が、読書欲ではなく、「流行りものはおさえておかんとまずい」「早く手に入れて『それ読んだー』『泣けたー』という輪に入っておきたい」という焦りからなのではないかと思う。売れた=名作でもなければ、売れた=駄作でもない。自分で探して自分で選んで自分の評価基準で評価する。それは本のみに限らない。
2010/02/08
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