つげ義春コレクション 紅い花/やなぎ屋主人 (ちくま文庫 つ-14-5 つげ義春コレクション)
つげ義春コレクション 紅い花/やなぎ屋主人 (ちくま文庫 つ-14-5 つげ義春コレクション) / 感想・レビュー
あたびー
先日読んだアンソロジーに収録されている作品が多い。地方の鄙びた町や村を訪ね、投宿する話なのだが、中にはとんでもない宿もある。しかしこれらはほぼ作者の創作なのだそうだ。発表当時つげ義春の本を胸に抱いてそうした舞台になったところを訪ねる若者が多数いたらしく、作者の方は創作なので困惑したのだとか。「紅い花」はそんな中宿泊ではなく茶屋で休んだエピソードになっているが、月経痛に悩む少女と近所の少年の淡い恋心(?)を紅い花に託した名作であります。
2022/03/10
Vakira
つげ義春作品集 5作目。この作品集は釣り&温泉旅行の短編集。水木しげるの風景画にも似ているが、コマの風景画は切り取って絵になる様な丁寧な描込み。相当集中して描いていると思う。表題の「赤い花」はNHKでドラマ化された程の名作。おかっぱ頭の少女のキャラが面白く可愛い。このキャラは別の作品にも登場する。コバヤシチヨジ もっきり屋の少女 一銭五厘で買われ居酒屋もっきり屋で働いている。んん?もうお酒飲めるの?飲んじゃっていいのか?面白いが切ない。主人公は王子様の様に助ける事は出来ない。心に残るは「頑張れチヨジ!」
2017/07/28
つちのこ
ずっと昔から何度も読み返しているが、『リアリズムの宿』が一番印象に残る。ふらりと立ち寄った青森鯵ヶ沢の漁港、古びた民宿。このロケーションだけでも何ともいえない寂寥感が漂う。特に、寒風が吹く中、生活に疲れた表情の宿の母ちゃんが、イカを入れた鍋を両手に持ってうつむきながら歩いていく背中が身震いするほどのリアリティ。死神が不幸を運んできたような悲壮感が充満する世界。やはり、つげ義春は只者じゃない。
2022/05/25
ツバメマン★こち亀読破中
つげ義春の“旅”をテーマにした作品を集めた一冊。つげ独特の世界観はいったい何だろう?人間の本質が剥き出しになっていて、出来れば見たくないけど、つい読み進めてしまう…。描かれて50年あまりが経っても、似たような作品は現れていない(気がする)。
2020/02/09
アズル
「旅もの」を集めた作品集。「西部田村事件」がお気に入りになりました。初めて読んだときはあんまり印象がなかったけれど、やっとわかってきたのかな…。「リアリズムの宿」も悲惨でいいですね。
2014/01/23
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