世間のドクダミ (ちくま文庫 む 5-7)
世間のドクダミ (ちくま文庫 む 5-7) / 感想・レビュー
かえる
群さんの腹立つあれこれエッセイ。中高年以降になると周りの目よりも自分の快適を選ぶ/挨拶をしない人が増えた/新聞社は傲慢だ/教師さえ本を読まなくなった、とか避けては通れぬ人間関係の不満、腹立ちを遠慮なくぶつけている。10代の時に夢中になった群さんのエッセイ、著者はもういまは60過ぎてたんだなぁ。共感も多いのだけれど、所々叱られているようでハッとさせられる。これは10年以上前の本であるけれど、社会は変わっても人間自体は変化していないので、違和感なく読める。
2020/06/21
ごー
群さんが怒っている。読みながら、著者と一緒に怒ったり、我が身を振り返り反省したり。単行本は2006年の2月、つまり10年前に出たのだが、今でも同じような事件はいくらでもあるので、あまり古い話だとは思えない。65頁「今の人は経験から何も学ぼうとしない。」とあるが、まさにこれだ。176頁「関わっている人間が何人かいるのに、どうみても変なのに、誰も変だと思わない。」盗作事件が起こるたびに、私もこれと同じことを思うのだけど、本当に不思議だ。
2016/02/01
酔いよい
群さんもあとがきに書いているけど、ホントこの本ではぶつぶつと文句ばかりを言ってるなぁ(笑)。確かに「ふざけるなよ!」と言いたくなるような事柄が次から次へと出てくる世の中ではある。これからも 群さんには痛快かつ小気味良い毒舌ぶりをおおいに発揮してほしいものだ。群さんがパソコンを使い始めた頃のエピソードには思わず笑ってしまった。まあ私も 群さんとはほぼ同世代のアナログ人間。同じようなことをしてきてるんだけどね(笑)
2014/08/10
Mimi Ichinohe
2006年初版のエッセイ。今から15年前で50歳前なのでだいぶトガっています(^^)。レンジで「チンする」という言葉の奇妙さ。確かに「焼く」でも「茹でる」でも「煮る」でもないと言われると当たり前のことにびっくりしますね。日本語でいうと「熱伝導する」かしら?英語ではなんて言うんだろう?思い及ばない毒が世間にはたくさんあるものです。自分の感覚を信じて、それが毒だと気づきたい。そして心ひそかにドクダミを持っておきたいなと思うのでした。
2021/08/19
Aminadab
親本は2006年。永らく積ん読していたのを一読。群ようこ本は一冊目から読んでいるが、小説は読まないし、ネコ関係、きもの関係は読まないからいい読者ではない。紀行と、作家評伝ものが好き(あとお母さんの浪費の話)。本書は社会批判の書とも読めるが、むしろ、年をとって世の中にむかっ腹が立つことが多くなった自分を客観視している生活エッセイだと思う。ベストは巻末の「イグチさんではなく、イノウエさん」。深いなぁ。たしかに、甲羅を経た女性にとって、男性の若輩者など、完全に意識の圏外扱いになってしまうのかも知れない。
2018/12/01
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