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史観宰相論 (ちくま文庫 ま 35-5)

史観宰相論 (ちくま文庫 ま 35-5)

史観宰相論 (ちくま文庫 ま 35-5)

作家
松本清張
出版社
筑摩書房
発売日
2009-05-11
ISBN
9784480426055
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史観宰相論 (ちくま文庫 ま 35-5) / 感想・レビュー

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koji

訳あって山県有朋に関心を持つ中で、この夏松本清張記念館を訪れた時に清張が「象徴の設計」と「史観宰相論」で山県を採り上げていることを知り、本書を読んでみました。清張は、まず大久保利通を「冷徹な合理主義、責任感、使命感」から大宰相とし、その後の伊藤博文と山県有朋は、大久保の一部を受け継いだ者と言います。清張の山県論は、憎んでいるけど魅かれる思いが溢れています。山県の心理と行動の分析が「かの戦争」を徹底的に考えることに繋がったのでしょう。本書は読みにくい所が多いですが、清張の人間論を知るには重要な本と思います。

2015/11/13

pierre-morgan

事実上の宰相第1号である大久保利通から山県有朋,原敬,吉田茂等について,明治以降の歴史の流れを追いつつ,単なる善悪論を超えた宰相としての資質を問うた一冊。小説以外で松本清張を読むのは初めてでしたが,研究者とは異なるストーリーテラーとしての視点で描かれる新鮮な論考であり,明治・大正・昭和史をより立体的に理解するうえで有用だと思います。

2012/05/06

cybertiger

宰相論として成功しているかどうかは微妙なところではないかと思う。しかし、政治にフォーカスした日本の近現代史として見れば、希に見る傑作。記述に遊びが無さすぎて読んでいて疲れるがコンパクトにまとめられている。大久保利通、吉田茂に関する描写が卓越している。維新後の新体制に山県有朋が残した爪痕の深さには驚かされた。戦後の日本国憲法の成立経緯についても、このボリュームの文庫本としては驚くほど詳細に描写されている。ただ日本国憲法が戦後日本に残した課題に関する箇所は、さすがに時代を感じさせられた。(初出1980年)

2024/04/13

とらまめ

7点 情報量が多く、読む時間がいつもの倍かかった。

2014/08/19

エンジュ

ミステリ作家だと思っていて、その方面は詳しくないが、歴史読み物でも面白いものを書ける人だったのだと知って驚いた。明治からこの当時の「現在」である昭和後期までを通して歴史の流れを解説していて、教科書で一瞬しか出てこない人の当時の評判(伊東巳代治の「いじわるじいさん」など)のような意外な視点が多く飽きさせなかった。

2013/04/02

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