少年たちはなぜ人を殺すのか (ちくま文庫 み 18-5)
少年たちはなぜ人を殺すのか (ちくま文庫 み 18-5) / 感想・レビュー
遠山太郎
「攻撃性や性衝動ばかりを悪影響とし問題にする特殊的な枠組みでなく、共生原理を支えるコミュニケーションとの両立可能性を問題にする、もっと一般的な枠組みに置き換えるべき。またそれの吟味、どのような共生が社会的有用性(社会的厚生関数)かへの合意を必要とする」 深く同意した。それは社会へ絶望しているからであるし、絶望しないことに絶望しているから。(1
2011/05/30
静かな生活
いきなり香山さんに対する宮台さんの皮肉からはじまる一冊。恐らく本書における最も大きな主題は、現代社会はどれほど「底」が抜けているか、というもの。非常にウマい表現だと思った。常識があるように見えて「底」が抜けている、要は肝心なところが致命的に欠けている、ということだろうか。しかし教育論を雄弁する宮台さんの物言いには、やはり惚れぼれするものがある。宮台真司狙いの読書ではあったが、香山さんの論調が(感情的、恣意的だなと思う所があったけれど)良い具合にマッチングしていた。
2017/05/05
まんゆう
読むのにものすごく苦労してしまった。『ユリイカ』は観てないし「底が抜けた」という表現も正直想像しにくい。もしかしたら、中学時代の私なら理解できたのかもしれない。でもずっと分からなかった酒鬼薔薇少年の唱えた「透明な存在」の意味・ニュアンスが少し掴めたような気がした。香山さんの名前を見て借りたけども宮台さんの社会学による社会背景の考え方もなかなか興味深かった。これから読む人には『ユリイカ』鑑賞後に読むことを薦める
2016/09/03
遊星
2001年に出版された本の文庫化。当時佐賀のバスジャック事件の直後だったのだけれど、今もこのタイトルがちっとも色あせていないのは、やはり不幸なことなのだろう。香山が語る少年たちが人を殺す理由よりも、宮台が語るその社会的な背景に関する知見に圧倒された。
2010/04/22
ミヅキ
女の子は?
2016/08/07
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