江戸百夢 近世図像学の楽しみ (ちくま文庫)
江戸百夢 近世図像学の楽しみ (ちくま文庫) / 感想・レビュー
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どんどん気温が上がる中、背表紙の「百」の文字に目が留まる。『百物語』のお隣にあったので一緒に。暑さでうつろな頭には、百の何かを詰めてみたくなるのでしょうか。お多福、獅子、琉球人などなど、楽しい江戸の絵解き。はっとさせられたのは、フェルメールのオランダ。言われてみれば、繋がっている。「フェルメールの見た近世とは、長崎やバタヴィアやインドや台湾で得た富が巡り巡って作り上げた上流市民社会だった。その輝かしくなつかしい生活は、同時に世界の亀裂の上に成り立つ豊かさでもあった」
2018/07/24
tama
図書館閉架本 2000年出版 素晴らしい本に巡り会えて嬉しい!赤瀬川さんのに初めて出会った時のような興奮状態。日本画だけでなく同時代の(200年間)西欧、中国の絵も対象。虹橋の船は着岸に失敗して船尾が押し流されそうなのでは?姑蘇は安野さんの色調のようで旅人君を探したくなる。日本人は金唐革大好きでタイ・ベトナムでは上得意。「春画は男女とも必ず参加する性交の祭り」「そのため多くの春画に隠微さが欠けている」これ凄い見方!!衣服の柄に風景を入れるのは日本だけ!?縞と言う文字はストライプを意味せず元は島!?
2023/01/05
なおこっか
今後も何度も開くだろう。幸せな図像“尽くし”の本。所謂江戸時代、江戸という都市に留まらない、近世の世界を鳥瞰で楽しむ本。そもそも江戸が鎖国の名目中も細くしかし確かに世界とつながっていて、そのつながった先の中国やインドやポルトガルやオランダの同時代へたどり着く楽しさを教えて下さったのは、田中先生ご自身だ。
2011/02/04
果てなき冒険たまこ
タイトルとは違って江戸時代頃(17〜19世紀頃)の美術品に関するエッセイ的な作品。 文体がいかにも気が利いてます的であまり好きではないが目の付け所はなかなか面白いものが多かった。
2023/06/20
鳴蝉
「どう? のぞいてみる?」と言いたげな表紙の画からして、遊び心満載の江戸時代を感じます。著者の解説によって広がる、めくるめく夢の世界、図像の中にある味わい深い世界を楽しめます。読んでいて面白いのは、著者自身も好きで楽しんでいるのを感じるからかもしれません。読んだ後に、「いいなあ、江戸!」と思いました。
2010/08/04
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