美しい恋の物語 ちくま文学の森 1巻(全10巻) (ちくま文学の森 1)
美しい恋の物語 ちくま文学の森 1巻(全10巻) (ちくま文学の森 1) / 感想・レビュー
KAZOO
再読です。このアンソロジーのシリーズを再度読んでいこうと思いました。このシリーズは活字が大きく読みやすくしかも短編が多いので年寄りには非常にありがたい本です。島崎藤村の「初恋」の詩が最初に登場して堀辰雄、ヘッセ、リルケ、バルザックなどの私の好みの作品が比較的多く収められています。ヘッセの「ラテン語学校生」は初期のものですが読みやすく感じました。また加藤道夫の「なよたけ」は竹取物語の戯曲のような感じでした。
2023/04/25
森の三時
古今東西の中から選ばれた恋に関する、古ーい小説。こういう選書でしか手に取らないだろうと思われました。『美しい恋』の定義はわかりませんが、私が読みたい甘酸っぱい恋ではありませんでした。この本とは離れますが、恋する気持ち自体は尊いと思います。人の恋を善悪、倫理、優劣、損得でしか評価できない人間にはなりたくないと思っています。美しいと醜いは紙一重だとしても、それでも私は恋をする方がいいです。
2021/05/31
メタボン
☆☆☆ どうしても翻訳ものはくどくどしい感じがしてあまり好きになれない。その中でフォークナーの「エミリーの薔薇」のホラーテイストは良かった。このような愛の形もあるのだ。全作品中、菊池寛「藤十郎の恋」が一番良かった。藤十郎が芸のためにお梶を口説きたぶらかす場面の文章の冴えはすごい。リルケの「ポルトガル文」の修道女の激烈さも印象深い。
2016/09/05
鳩羽
恋で周囲が見えなくなっている当事者は愚かかもしれないが、少し離れたところで見ている分には美しいのかもしれない。悲恋ばかりだったので、ある意味人の不幸を愛でるような感じもした。「ポルトガル文」の愛が憎悪に変わっていくほど、感情的で支離滅裂だった女が論理的になっていくのがまことに恐ろしい。
2012/04/12
津島修三
古今東西有名だけど『読まず嫌い』で知らなかった作家の『恋』をテーマにしたアンソロジーでした。 恋すること かくも激しくあるものか‥と 身をやつし気も狂わん程に恋している主人公たち 悲しいかな、成就されることの殆どない物語。 だから美しい恋なのか? 偉大なる大作家の作品はどれもこれも人間関係が濃密で時間の流れもゆっくりです。 このシリーズ極めてみようかな
2013/05/30
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