ちくま文学の森3巻 変身ものがたり (ちくま文学の森 3)
ちくま文学の森3巻 変身ものがたり (ちくま文学の森 3) / 感想・レビュー
めしいらず
ゴーゴリ「鼻」、朔太郎「猫町」、漱石「夢十夜」、乱歩「人間椅子」、鏡花「高野聖」、百間「東京日記」など文豪たちのとびきりの幻想譚と怪奇譚が並ぶ。顧みられぬ強烈な恨み節と退廃美の朔太郎「死なない蛸」、まるで不幸を欲しているかのようにそこから抜け出せない父娘の太宰「魚服記」、女の秘密の有無が男の酷薄な生態を炙り出して止まぬ谷崎「秘密」、仏蘭西産らしく皮肉なオチにも詩情が香るエーメ「壁抜け男」、斎場のトイレで化粧を直す女性らの姿に言い知れぬ内面を見る川端「化粧」も印象的。白眉は世界文学の巨星、中島敦「山月記」。
2024/05/28
N田
今まで読む機会の無かった有名作がけっこう収録されていた;高野聖、壁抜け男、山月記等。洋物と和物が決定的に違う。何読んでも半端なコクトー。コクトー好きはたぶんこの半端さが堪らないんだろう。このシリーズ、編者の拘りみたいのが出てるが、この本は無難な選択だと思う。
2016/02/27
naoco
読んだことがあるけどこうやってテーマで集められるとまた違う魅力が!人間椅子、懐かしいけど怖い。。
2020/05/01
きっち
《変身》をテーマにした短編アンソロジー。21編収録。 既読のものも多いのだが、それも含めてベスト5は、「高野聖 / 泉鏡花」「死霊の恋 / ゴーチエ」「山月記 / 中島敦」「風博士 / 坂口安吾」「猫町 / 萩原朔太郎」の5編。 やはり日本語の良さを堪能できる作品に軍配があがるなあ。文章力の凄さでは、泉鏡花が頭ひとつ抜けてるような気もする。 それにしても、みんな、さすがに文学史に名を残しているだけのことはある(←なんかエラソーに言ってますが)。
2019/01/19
渋江照彦
変身にまつわる東西の物語を集めた一冊となります。読んだ事がある作品が多いですが、読んだ事の無い作品もあったので読んで良かったなと思います。個人的には坂口安吾の「風博士」やゴーゴリの「鼻」、太宰治「魚服記」、泉鏡花「高野聖」、ゴーチエの「死霊の恋」辺りが好みでありました。
2014/11/02
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