夢魔は蠢く 文豪怪談傑作選明治篇 (ちくま文庫 ふ 36-16 文豪怪談傑作選 明治篇)
夢魔は蠢く 文豪怪談傑作選明治篇 (ちくま文庫 ふ 36-16 文豪怪談傑作選 明治篇) / 感想・レビュー
sin
メメントモリ=眠りは小分けされた死とでもいう解釈か?圓朝の導入部は真正怪談。子規は埋葬にトリツカレ。ハーンはロマンチック。漱石の“夢十夜”が屋台骨。葉舟貴方の寂寥はありふれて万民に等しく永遠は叶わず行き着く所が足掻く如き実話怪談とは。喜善は現が幻、性愛に惑う。坪内逍遥の伝奇譚であるが“五百里と七百マイル“”ワイヤレス式の神通”=表現の自由奔放なこと。それにしても全編を通じて怪談を感じさせる作の少ないこと少ないこと。
2014/08/03
かわうそ
夢をテーマにした怪談の小品集。漱石「夢十夜」は何度読んでも面白い。死の気配が濃厚ながらユーモア漂う正岡子規もいい感じ。そして付録篇の坪内逍遥「神変大菩薩伝」はまさかの著者直筆挿絵入り妖怪スペクタクル。意外な珍品で驚きました。
2014/07/16
藤月はな(灯れ松明の火)
以前、「遠野物語」を読み、感想を書いた所、読友さんから「『遠野物語』の元ネタを話してくれた佐々木喜蔵氏の作品も収録されている」とお勧めされました。ありがとうございます。正岡子規が白昼夢のような作品を描いていたのにはびっくりしましたし、水野葉舟氏の不気味さ、小泉八雲氏の艶っぽさや坪内逍遥氏は妖怪対戦伝記だったので知らず知らずのうちに抱いていた文豪たちのお堅いイメージが崩壊しました(笑)「神経のせいだ」という言葉も登場しますがそれは逆説を唱えるしかない言葉にしか思えませんでしたし、皆、怪談は好きだったのですね
2011/09/05
HANA
文豪の小品集。漱石の『夢十夜』はこの手のアンソロジーの鉄板として、小泉八雲の幻想小説や正岡子規の随筆とも白昼夢とも取れぬ作品も収録されていて非常に読み応えがある。特に佐々木喜善の『長靴』が収録されているのはうれしかった。名のみ知っていてまだ読んだことがなかったので。遠野市立博物館には早く全集二巻の重版をしてもらいたいものである。全体的に漱石、水野葉舟を始め読んだことのある作品が結構あったが、それでも何度読んでも読み応えのある作品が多かった。
2011/07/14
シンドバッド
水野葉舟と佐々木喜善が読める文庫 さらに、坪内逍遥 神変大菩薩伝も読める。お値打ちの本。
2014/09/23
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