謎の物語 (ちくま文庫 き 6-4)
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謎の物語 (ちくま文庫 き 6-4) / 感想・レビュー
KAZOO
最期の結末が謎になっている物語をいくつか集めたものです。有名な「女か虎か」をはじめそれに対する「女と虎と」などリドル・ストーリーとよばれるものが集まっています。小泉八雲のショートショートも面白く幻想的な印象も残します。最後のブッツァーティ―の「7階」は様々なアンソロジーに入っていますが何回読んでも飽きません。
2015/05/17
藤月はな(灯れ松明の火)
珍妙な味わいのアソートのような短編集。名作『女か虎か』は何度読んでもいいなと思いつつ、換骨奪胎作にあんぐり。『穴の空いた記憶』はサイコサスペンス的。しかし、幻想的な『謎のカード』に『続・謎のカード』である種明かしが為されているのはちょっと無粋に感じました。個人的に印象に残ったのは、『素晴らしき新世界』を書いたハックスリーの『ジョコンダの微笑み』。傲慢なハットンに苛つきながら読んでいたらラストで驚愕する羽目になりました。
2014/09/12
あたびー
#日本怪奇幻想読者クラブ 奇妙な世界さんの御書で単行本と文庫では内容が違うことが分かってあわてて読んだ。トウェイン「恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス」は、禁じ手ともいうべきエンディングで、天を仰ぎたくなる。有名なストックトン「女か虎か」は両方に収録されているけれども、文庫版にはストックトンによる続編(?)「三日月刀の督励官」と、解題を試みたモフィット「女と虎と」が収録されている。この辺の詳しい解説はぜひ奇妙な世界さん(kazuou)の「謎の物語ブックガイド」をご覧あれ。
2021/12/16
かんらんしゃ🎡
★恋人の前に扉が二つ。一つは虎で、一つは美女との結婚。恋人を助けたいが他の女と結婚するのは許せない。そして扉の裏側を知る女は一方を指した。男が扉を開ける。そこで話は終わり。★女を信じるか?いやいや女の嫉妬を小さく見積もりすぎてやしないか。いきなりガブリ!もある。単純なプロットだが、考えるほどに人間不信に陥る。こういう結末の無い話が11編。
2021/07/17
アイゼナハ@灯れ松明の火
リドル・ストーリーを集めたアンソロジー。結末が明らかにならないと居心地が悪いんでないかと思って読んでみたのですが、余韻を楽しむ話なんだと得心しました。だから『続・謎のカード』のダメさ加減は反面教師のようなものですね。『女か虎か』のような王道モノから入って小泉八雲やO・ヘンリーの作品なども取り混ぜた15篇。ダンセイニの『野原』が好みでした。なお、実は『指貫きゲーム』を読んで回答が知りたくなり、たまらず解説を覗きにいったことは内緒です(笑)
2012/05/09
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