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デ・トゥ-シュの騎士 (ちくま文庫 は 28-2)

デ・トゥ-シュの騎士 (ちくま文庫 は 28-2)

デ・トゥ-シュの騎士 (ちくま文庫 は 28-2)

作家
ジュール・バルベー ドールヴィイ
Jules Barbey D'aurevilly
中条省平
出版社
筑摩書房
発売日
2012-06-06
ISBN
9784480429315
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デ・トゥ-シュの騎士 (ちくま文庫 は 28-2) / 感想・レビュー

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ホームズ

実際に起きたデ・トゥーシュ奪還事件を元にした小説。全体的に読みにくくって大変でした。デ・トゥーシュの騎士は美しくはあるけどそれほど感情を移入できるようなキャラクターでもなかったし。

2012/11/15

ラウリスタ~

これは…うーん、ほとんど読めたものじゃないな。訳者解説や、プルーストの着眼、ミシェル・セールの奇想など、ドールヴィイを取り巻く言説の面白さは認めるが、1799年のふくろう党がらみの実際の出来事に取材した小説は、現代の読者からするとあまりに読みにくく、話の筋についていけない。最後の3ページでどんでん返しするところだけは面白かった。男勝りで凄まじく醜い女戦士と、どんな美女よりも美しい若者、昔話の中心にいるのに今は耳が聞こえず刺繍を覗き込んでいるかつての美女、そういうキャラクター設定の面白さはあるのだからもっと

2016/07/08

ハルト

実際に起こった、ふくろう党によるデ・トゥーシュ奪回事件を元にした歴史冒険小説であり、また紅潮の謎を解くミステリ。語り手と事件の中心と物語の中心。醜くき女性と美しき男性と赤き聖処女。彼彼女らの三位一体の性を廃棄転換による超越。愛を知らぬことと愛に殉じること。性への潔癖さ。物語としても読み応えありおもしろかったですが、著者の性の理想の追求的な部分も興味深かったです。読んでいる間、騎士のイメージが「ベルセルク」のグリフィスでした。

2012/08/03

桜子

クノップフの描いた女騎士ブリトマートと未完に終わった〈孤独〉を配したカバーイラストは物語の末路を暗示する絶妙なチョイス。しかし、私は読み終わってバーン=ジョーンズのヴィーナス賛歌を思い浮かべた。真紅の衣を身にまとい物憂げに(ともすると不遜にも見える)髪を掻きあげるしぐさの美神ヴィーナス。貴い血脈への忠誠、膝まで浸かる流血淋漓。乙女の頬にさす紅潮。すべてが渾然一体となる幕引きは見事というしかない。解説で、1779年にじっさいに起こった騎士奪還事件を元に創作したことを知り、さらに感服した。

2012/06/30

刳森伸一

ドールヴィイらしいダンディズムに彩られた歴史ロマン小説。痛快な立ち回りといい、男性顔負けに活躍する美女といい、ラストで明かされる胸を突かれるような秘密といい、とにかくエンターテイメントとして非の打ちどころがないし、文章には格調がある。うん、これは面白い。

2017/05/24

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