らくだこぶ書房21世紀古書目録 (ちくま文庫 く 21-6)
らくだこぶ書房21世紀古書目録 (ちくま文庫 く 21-6) / 感想・レビュー
KAZOO
1997年に、書き手に2025年の時代のらくだこぶ書房から古本のカタログが送られてきます。まずこの設定で驚かされてしまいました。しかもその古本というのが2001年以降のもので1997年からすると未刊の書物です。それが写真とともに内容の紹介があり楽しめます。その本にはシミが食った後の写真やある一定の時間がたたないと現れないインクで書かれているものなど様々です。このような本についてのファンタジーを作ってくれたクラフト・エヴィング商會に脱帽です。
2024/09/17
コットン
単行本で既読だったので軽い気持ちで購入。しかし、しかしです。ただの文庫本でないことは表表紙を見て予感はあったのだが、さすがそこはクラフトエヴィング商會さん、今回も楽しい空想の世界でした(^_-)-☆架空の本目録の題目や写真を見ているだけでトリップしちゃいますよ。:『7/3横分けの修辞学』堂島横分け倶楽部・編とか『月天承知之助・巻之一』『茶柱』など…。
2015/12/17
きりこ
意味深な「あとがきのようなまえがき」に首を捻りながら頁をめくり、「京都・駱駝こぶ書房製古書目録」の手作り感や古色蒼然とした本の佇まいがとても良い雰囲気なので、次の頁への期待が高まります。目録にある古書の数々がどれも洗練された遊び心と、卓越した職人技とも言うべき素晴らしい装丁となっており、すっかり魅了されてしまいました。中でも「7/3横分けの修辞学」「SMOKING AREA」が素敵。この本のために作られた架空の本の実現化。最後の一冊に驚愕。まだ出版されていない本がなぜ存在しているのか…。続く→
2014/03/25
めしいらず
この仕掛けは一体何ごとだ。始まりと終わりが、過去と現在と未来が、曖昧に交じり合い、いつまで経ってもそこから出ることが叶わない、物語のウロボロスに迷い込んでしまったような奇妙な感覚。メビウスの輪やエッシャーの滝と同じ不可思議さが、書籍になっているとでも言おうか。私ごときの覚束ぬ脳髄などは、案の定こんがらかってしまったよ。ハハ。それにしても何ちゅうセンスの良さだろか。やはりクラフト・エヴィング商會、おそるべし…。
2017/05/12
へくとぱすかる
未来から届いた古書、という架空の書物のカタログという設定で書かれた、装丁美術の本。かと思って安心していたら、とんでもない逆転が……。小説で同じことをやったとしたら、同巧多数ということになっていたかもしれませんが、そこは造形美術の強み。「そういう世界」をまざまざと見せつけてくれることに。ところで未来の本(時代的には、すでに「過去」の本も、今となっては何冊か出現)って、意外にレトロですね。ちょうど今の時代に、わざわざ昭和戦前風を装った装丁で出ている本のような風格が……
2015/08/20
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