問題があります (ちくま文庫 さ 5-7)
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問題があります (ちくま文庫 さ 5-7) / 感想・レビュー
ケイ
佐野洋子さんと言えば、「100万回生きた猫」の作者で谷川俊太郎の元奥さん、この二つしか知らなかった。100万回…については、なるほどとは思うも感動せず。このエッセイに対してもそんな印象を持つ。身近にいると少ししんどいタイプの人だろうなあ。終戦直後の中国やロシアの人達についての描写で、この人は引き揚げ前の事をすごく根に持ってるのだと思った。戦争中に自分達のことを彼らがどう思っていたのかは書かないのだ。でも、佐野さんは黒い心をもっていると告白しているから、思った通りを書けばいいんだとそこだけ強くおもった
2016/05/17
榊原 香織
エッセイ。 65位~死の前年(72歳)位までの。 面白いしキップも良いんだけど、晩年感漂う。 とにかく読書山ほど。何にもならなかった、て言ってるけど、そんなことない。こんな素敵なエッセイが書けるのだから。 あれ、アレキサンドリア4部作を古本屋で買った、て出てくる。こないだ読んだばかり。
2021/09/24
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
読んだそばから内容が抜けていくゆる感がたまらない。そうかと思いきや、たまに全てを達観したような含蓄あるお言葉が出てくるから、油断ならない。 「本を読んでも私は教養高くなるわけではない」「読書はまるでバックグラウンド・ミュージックのようだった」としきりに語る。だが、その境地にたどり着ける人はそう多くはないのではないだろうか。 読む前と読んだ後で、自分が(ほぼ)何も変わらない読書というのは、最近の自分にとってはなかなか珍しい。読みたくて一気に読んだ娯楽小説のような読後感にある種近かった。
2019/10/03
慧の本箱
本書を手にしながら、なんでこんなに話に覚えがあるんだろう?以前手にした「神も仏もありませぬ」「役にたたない日々」の中身と同じ内容を書いてるのだろうかと・・・佐野さんごめんなさいお馬鹿は私でした。本書を2010/09/08に単行本で読了してました。情けなやです。
2021/10/28
ソングライン
2000年代、作者が60才を越えてからのエッセイ集です。少女時代過ごした大連から、日本に引き揚げたてきて暮らした山梨、静岡、そして美大生として生活した東京、父母の思い出から、昭和の終わり、そして平成に生きる今の自分までが語られ、作者の一生を共に笑いながら経験する読書です。父を亡くした時の母を気遣う、昔のモガ友達の本物の友情が熱い「美しい人」、漱石に深く心を打たれるのにはそれ相応の人生というものが必要なのであると言い切る「本には近ずくなよ」が印象に残りました。
2021/03/26
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