快楽としてのミステリ- (ちくま文庫 ま 12-4)
快楽としてのミステリ- (ちくま文庫 ま 12-4) / 感想・レビュー
harass
ミステリ小説の書評集。この作家の単独本は初めて読む。主に海外ミステリを数ページで書評や紹介している。雑誌や新聞の穴埋め記事であり量が物足りない。しかし品のある言い回しと文学教養と英米の娯楽作品に詳しい著者ならではの文章は軽く味がある。古い文学者は変な偏見があったりや知識がない人が多いのでまれだ。取り上げる作品や作家は名作や大御所が多い。自分はほとんど読んでいるが新しいものでは、ラーソン『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』でこれは未読。また古い名作を新たに読みなおしてみようかという気になった。
2016/08/01
i-miya
2013.08.27(つづき)丸谷才一著。 2013.08.26 村上春樹についてもう少し。 描写や会話にはチャンドラーの小説から感じるような快さがある。 小粋で切れがよい。 適度に感傷的、ことに会話。 相当深刻な中でも冗談いいあいを楽しんでいる。 すずしげ。 ◎大岡昇平。 アンガス・ウィルソン。 イギリスにおけるなまけ者の青年が、ひとたび国外に出ると、どんな見事な働きをするか、という勇猛果敢かつ、愉快な冒険物語である。
2013/08/27
i-miya
2013.08.25(初読)丸谷才一著。 2013.08.24 (解説=三浦雅士=『文学と恋愛する方法』) グレアム・グリーン。 文学の快楽を貪るように読んでいる、味わっているのだ、丸谷才一は。 ◎鼎談=丸谷才一、向井敏、瀬戸川猛資。 戦前=岩波茂雄の岩波文庫、戦前の明治憲法下における軍国主義的で封建的なものに対し、知性と教養を標榜、果敢に戦う。 戦後=早川清、もっと広い範囲に本を提供。 アメリカの小説だと、ハイウェイだのフリーウェイだのが出てくる、訳者も意味がわからない。
2013/08/25
i-miya
2013.08.31(つづき)丸谷才一著。 2013.08.30 ◎ケインとカミュについて。 カミュ、『異邦人』にはJ.M.ケインの『郵便配達は二度ベルをならす』が大きな影響を与えている、というのは僕が長い間心密かにしたためていた発見である。 例えば世界の不条理の象徴としての裁判というとらえ方。 全編が死刑囚の手記であり、しかもそのことを最後に書き残すという手法。 そしてなにより、極めてヘミングウェイ風の文体。 大衆小説のパターンを利用した純文学作家はあげればきりがない。
2013/08/31
みや
読書会紹介本。探偵小説を愛読する著者がミステリーを語るエッセイ集。「ミステリーは好きだけれど、読んできた冊数は少ない」というレベルの私には早すぎる本だった。読書量、知識量が絶対的に足りなさすぎる。だからと言って、門前払いされるのではない。ミステリ、文学、読書の奥深さを見させてもらうことで、もっと知りたい!もっと読みたい!とワクワク感が盛り上がり、読後の今は読書への意欲が尋常では無いほどに高まっている。辛辣な意見も多いが、その全てからミステリー愛を感じた。この本に相槌を打てる程の読書家にいつかなりたい。
2018/10/15
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