炎の戦士ク-フリン/黄金の騎士フィン・マック-ル (ちくま文庫 さ 40-2)
炎の戦士ク-フリン/黄金の騎士フィン・マック-ル (ちくま文庫 さ 40-2) / 感想・レビュー
アイゼナハ@灯れ松明の火
ケルトの神話では著名な英雄二人の物語。断片的なエピソードは知っておりましたが,こうしてまとめて物語として読めるのは嬉しい限り。英雄譚ではあるのですが,いずれも勇壮ながらも悲劇的な最期を遂げるところに,物語を伝えた人々の,失われた美しい時代に対する哀惜の念が感じとれるような気がします。それにしても両編とも,後日譚というべき最後のエピソードが素晴らしい。特にクーフリンの話の方は,その語り口とも相まって余計に切なくなりました。この辺は作者の力量なんだろうなぁ。堪能しました。
2013/02/12
鐵太郎
ケルト神話ファンタジーの第二弾。「炎の戦士クーフリン」と「黄金の戦士フィン・マックール」の合本。どちらもケルトの伝説の英雄なのだそうだけど、きちんと書き分けられているのは、さすがサトクリフというべきか。前回の二人の少年たちよりリアリティに欠けているのは神話の英雄だからなのだろうけど、その荒唐無稽さが面白い。でも、どうもね。
2017/02/17
おくりゆう
ケルト史を彩る2つのファンタジーですが、解説の、クーフリンは神話、フィンは民話という評はしっくりくるものがあります。美しく、凄絶な物語は読みやすく、とても面白かったです。個人的にはクーフリンの方が好き(フィンは人間的というか晩年が…)。
2013/07/27
eckhart88
名前と簡単な逸話は知っているが、しかし詳しいところを知らないクーフリンの伝説と、名前くらいしか知らないフィンの伝説。前者のまさに神話というような想像力の奔放さ、アトゴウラでの一騎打ちの凄絶さ、その死の凄まじさ。サトクリフの語り口が、古老の伝える迫真の伝承といった様子でぐいぐいと読ませる。それほどに見事。フィンの人間くささと、騎士団の魅力よりも、壮大かつ自由なクーフリンが個人的は好きだった・人によっては逆かもしれないが。彼らの存在を聞いた事はあるが詳しくは知らないという人は、この本はまさにをうってつけだろう
2013/06/14
shou
ケルトの英雄神話をサトクリフがまとめたもの。時代の古いクーフリンの方が幻想的で物語的。フィンの方はアーサー王など他の英雄伝説を彷彿とさせる面も。老いた英雄が英雄のままでは終われない展開が象徴的だなあ。グラーニアの悪女っぷりも凄いけれども、男性陣はそれでいいのかと…。
2013/06/10
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