ぼくは散歩と雑学がすき (ちくま文庫 う 38-1)
ぼくは散歩と雑学がすき (ちくま文庫 う 38-1) / 感想・レビュー
踊る猫
植草甚一の本を本格的に読むのはこれが初めて。上の世代が熱狂的に「ぼくらのJ・J!」と語るのを知り、いずれは……と思っていたのだけれど、今読むと軽快なフットワークと柔軟な感性、アメリカの風俗のみならず政治に関しても果敢に発言する知性と勇敢さが凄いと思う。趣味人としての植草は知っているつもりでいたのだけれど、こういう戦うコラムニストだったとは(ナット・ヘントフや小林信彦のような……違うか)。その路線から彼の著作や足取りを追い掛け直すのも一興かと思わされた。話題は古びたが書かれている筆致のヴィヴィッドさは新鮮だ
2019/11/11
michel
★4.3。JJおじさん、ほんとにかっこいい!こんな男と居たら視野が広がるし、日常が色濃くなるだろうなー。
2019/04/26
k.m.joe
「雑学」とは、非日常な事物を日常的に語る事ではないかと本書を読みながら思った。そして、「散歩」とは、足の向くまま気の向くまま楽しみを探してゆく、植草さんの姿勢、そして文章そのままだと思う。
2014/02/24
Saku
ヒッピー文化、ヒップとスクエアの話から始まってアメリカ小説や映画の話まで。この時点ではジャズに関する話が出てきていなかったけれども、黒人文化の話しは見られていた。植草甚一の目で語るアメリカ文化はとっても魅力的。
2014/08/24
てら
恥ずかしながら初・植草甚一。昭和40年代前半に還暦を過ぎた人(つまり終戦のとき30代)が書いたとは思えない「軽さ」。しかしこの軽さは当時はもちろん現代でも絶対に出せないものだろう。サブカルの教祖というかカリスマ扱いされるのも納得。話題がオナニー(ポップカルチャー)から黒人差別(社会問題)までブレまくっているのに「軸」があり、立派に他人様からお金のとれる文章芸・技になっている。それをさらっとやっているところに驚いた。ベクトルは違うが渋澤龍彦とも共通したものも感じる。参りました。
2013/10/19
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