日本幻想文学大全 I 幻妖の水脈 (ちくま文庫 ひ 21-5 日本幻想文学大全)
日本幻想文学大全 I 幻妖の水脈 (ちくま文庫 ひ 21-5 日本幻想文学大全) / 感想・レビュー
(C17H26O4)
佐藤春夫『女誡扇綺譚』が読みたくて手に取ったのだが、一冊まるごと良くて大満足だった。水脈とタイトルにある通り、古典から近現代まで(紫式部から小松左京まで。21篇)。ジャンルもバラエティに富んでいた。怪や妖しさの後ろに裏寂しさやなにか情を感じるものも多く、読後もあとを引いた。既読のものもあったが、アンソロジーの中に入っていることでまた違った味わいが感じられた。初読でとても興味を引かれたのが、稲垣足穂『一千一秒物語』。数篇紹介されていたが、もっと読んでみたいと思った。
2020/11/26
HANA
幻想文学アンソロジー。名作ばかりを選んだ上で収録しているという看板に偽りなく、古代王朝時代から昭和まで時代を渡り珠玉の名品ばかりが収録されている。ただ名品ばかりなのでほぼ全ての作品が既読、それどころか中には四度五度と読み返したことのある作品も含まれている。「高野聖」とか「押絵と旅する男」とか「桜の森の満開の下」とか。それでも既読にも関わらず読み返しているうちにその作品世界に陶酔することのできるのは、名作だけが持つ言葉の力によるものか。しかし「死者の書」がアンソロジーに収録されるとは思わなかったなあ。
2014/08/25
藤月はな(灯れ松明の火)
ほとんどの話が既読。『死者の書』は日本文化での当麻曼荼羅縁起と中将姫伝説の授業で人形劇となったものを鑑賞したことがあったのでイメージが掴みやすかったです。『牛の首』はバカミスみたいと思ったけどよく、考えてみれば凄く、怖い話だと思いました。
2014/01/04
かわうそ
ジャンル問わずあまり古典というものを読んでこなかった人間にとっては視野が広がる本当にありがたい一冊。どれも読み応えがあって素晴らしく、中でも「桜の森の満開の下」「月夜蟹」「風見鶏」あたりが特に好みでした。
2013/11/09
misui
源氏物語から牛の首まで、決定版に相応しい贅沢なラインナップ。実際、「耳無芳一」「夢十夜」「高野聖」「押絵と旅する男」など押しも押されもせぬ名品揃い、あらためてこれら名品を味わうのも乙でしょう。自分はやはり「死者の書」が最高でした。
2013/10/15
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