ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫 は 42-2)
ぼくは本屋のおやじさん (ちくま文庫 は 42-2) / 感想・レビュー
kinkin
1982年に刊行された本に一部エッセイを追補して文庫化。元・ジャックスというグループのメンバーだった早川義夫さんが早川書店という個人経営の本屋を経営したときの顛末記。現在本屋はあるけれど本屋らしい本屋はどんどん少なくなり本だけでなくCDやDVD、文房具も置いてあって整然と本が並べられている本屋ばかりになった。小さいけれど味のある本屋、著者はそんな本屋を経営していたのだと思う。でも本屋というのは個人でやるにはけっこうしんど職業であることも様々なエピソードで知った。図書館本
2021/03/02
ユメ
この本を読んで本屋を志した人は結構いるそうだ。最初はそれを少し不思議に思う。ほとんどが書店を経営していく上でのぼやき。ミュージシャンを辞めて「本にかこまれていたかった」著者が、甘くない現実に直面する記録なのだ。結局彼は、接客は自分に向かないと悟って音楽の道に戻る。でも「感動は決して芸術の中だけにあるのではないということを学ぶことができた」スポットライトの華やかさを知る人がこう感じるのは、凄いことではなかろうか。日々の苦労の隙間に小さな感動の発見が零れ出ているから、やっぱり本屋っていいな、そう思わされる。
2015/02/25
へくとぱすかる
単行本で出たときは、本当に本屋のおやじさんだったのですが、今は歌手にもどった、という、かつてない履歴をもつ著者の本。「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」というアルバムから受ける印象とのギャップを感じながら読んだものの、やはり音楽から受ける人柄と同じなのだな、と印象をあらためた。それにしても、個人経営の書店がつぶれていく現状を思うと、活字文化はどこへ行くのだろう。著者は経営の大変さを描くものの、発行当時は紙の本そのものの危機、というところまでは予想できなかっただろう。さて早川さんの歌を聴こうか。
2015/01/09
ウィズ
本屋さんがいかに大変かよくわかり、また、著者の本にたいする誠実な姿勢に好感がもてた。
2014/04/19
ふろんた2.0
地元に出店されていたということで読みました。30年前の本だけど、町の書店の裏事情がよくわかります。売りたい本が入荷しない苦労、取次制度など出版事情の愚痴ばっかりですが、本に携わる者の素直な態度だよなあとは思った。
2014/04/13
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