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リテラリーゴシック・イン・ジャパン: 文学的ゴシック作品選 (ちくま文庫 た 72-1)

リテラリーゴシック・イン・ジャパン: 文学的ゴシック作品選 (ちくま文庫 た 72-1)

リテラリーゴシック・イン・ジャパン: 文学的ゴシック作品選 (ちくま文庫 た 72-1)

作家
高原英理
出版社
筑摩書房
発売日
2014-01-08
ISBN
9784480431202
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リテラリーゴシック・イン・ジャパン: 文学的ゴシック作品選 (ちくま文庫 た 72-1) / 感想・レビュー

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harass

借りてパラパラ読んでいたが、手元に置いておくべき本だとわかった。不穏な小説や詩や短歌ばかりで、その筋の人にはたまらんラインナップ。鏡花、澁澤などは分かるが、吉岡実「僧侶」や塚本邦雄。最近のものでは、乙一や木下古栗や大槻ケンヂも。正直やりたい放題、趣味全開のアンソロジーで軽く嫉妬さえ覚えてしまった。出版社の該当サイト、作品作家リスト→http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480431202/

2018/08/27

コットン

『月光果樹園』(幻想文学案内)が良かった高原英里編で『平穏を打ち破る恐ろしい、異様な、あるいは崇高な何かの現出。もしくはその予感である「不穏」を最大の特性とした「文学としてのゴシック」選集(日本編)』。純文学や幻想文学など38人の作品を楽しめる。金井美恵子「兎」:兎を食べる父と娘が強烈な印象だった。乙一「暗黒系Goth」:ミステリー的な要素もあり面白い。海外編も出してほしい!

2014/02/20

藤月はな(灯れ松明の火)

残酷で不気味なものとしての「ゴシック」を取り扱った短篇集。初読のものでは行間に恐怖を滲み出させる「兎」、バロック且つグランギニョル的な猥雑さと淫蕩さに満ち溢れる「大広間」、無知且つ無邪気故の残酷さが際立つ「紫の丘」、セカイ系ラブコメと自意識の過剰さと野蛮のギャップが凄い「セカイ、蛮族、ぼく」、静かに狂気を受け入れているような「老婆J」、ある意味、純愛小説な「ステイシー異聞」が好き。既読では「毒もみの好きな署長さん」、「かいやぐら物語」、「失楽園殺人事件」、「月澹荘綺譚」、「花暴れ首」、「春の滅び」が好き。

2014/07/18

鷺@みんさー

明治から近年に至るまでの、編者が【ゴシック】と感じた短編がズラリの読み応えある一冊。宮沢賢治の『毒もみの好きな署長さん』は興味深かった。北原白秋に始まり、各時代のゴシックな句や歌も多数収録されている。近年の作家の作品は既読もあったが、伊藤計劃、木下古栗、中里友香など面白かった。金原ひとみも初読作家だったが、こんなに「妄想世界の再現」ができる人だったとは。古栗は短編だから駆け抜けられた。読友さんたちが最近とみに好んでいる作家で気になっていたのだが、手を出す勇気なく…善き邂逅だった。ゴシック万歳。

2019/04/23

*maru*

編者が提案する「文学的ゴシック」。北原白秋に始まり鏡花・乱歩・澁澤・皆川・計劃・京極・古栗…等々。小説やエッセイ、詩や俳句に至るまで幅広いジャンルの作品で構成された濃密で贅沢すぎる作品選。目次を眺めているだけで涎が出ちゃう。『薔薇の縛め』『春の滅び』『老婆 J』のみ既読。初読み作家さんは少なかったが、倉橋由美子、赤江瀑、中里友香が良き出逢いとなった。現代作家陣の疾走感や滑稽さも捨てがたい。しかし【黎明】の“圧”から【幻想文学の領土から】までの“美”や“妖”が凄すぎて。ゴシックを愛する方、必読ですよ。

2019/08/03

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