教えたくなる名短篇 (ちくま文庫 き 24-8)
教えたくなる名短篇 (ちくま文庫 き 24-8) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
掴みの「青い手紙」からもう完璧。読者に与える焦らしプレイぶりと謎めいた微笑めいたラストが巧みな逸品だと思います(笑)「手紙嫌い」のめくるめく展開と叩き込まれるような絶望感は主人公の気持ちを考えると苦しくて仕方ない。でも明らかに祖父様の自業自得でしょうが。「カルタ遊び」は堅物かと思われていた人の意外な素顔に思わず、にっこり。「すごろく将棋の勝負」は流石、「一緒に地獄に堕ちてくれなきゃ、アンタを好きにならない」な女を描かせたら上手いメリメだ。「焼かれた秋刀魚」の『幸福の王子』みたいな終わり方は切なすぎる・・・
2016/11/03
おか
最初のアルバート・ペイスン・ターヒューン(名犬ラッドの著者)の「青い手紙」に意表を突かれ 読み進んだ。角田光代さんの「親しくしていただいている(と自分が思っている)編集者に宛てた、借金申し込みの手紙」には笑った^_^若竹七海さん、メリメ、ヘンリー・ジェイムズ、小熊秀雄、エイケン、長谷川修など 多彩な顔ぶれが揃っていて 悲喜交々 面白い読書となった。
2019/09/16
ぐうぐう
このシリーズの楽しみのひとつに、これまでその名前すら知らなかった作家と出会えるという喜びがある。本書で言えば、長谷川修に尽きる。「舞踏会の手帖」と「ささやかな平家物語」の二篇が収録されていて、どちらもすこぶるおもしろい。うまさにも舌を巻くが、それ以上に独特な風貌に驚かされる。まさしく、長谷川修にしか書けない小説とでも言おうか。埋もれてしまった才能ある作家を、きちんと発掘していることこそ、このシリーズの醍醐味だ。
2014/08/17
まさ
北村薫と宮部みゆきによる短編アンソロジー。長谷川修作品を知ることができたことが一番の収穫かな。アンソロジーは編者の意向が先にわかると入り込みやすいのだよね(この短編集では最後にお二人の対談があります)。
2023/09/30
たらちゃん
「名短篇、ここにあり」も良かった。これは実はまだ「青い手紙」「人間でないことがばれて出て行く女の置き手紙」の二編しか読んでいないけれど、ごめん、これは良い!続きを読む前に感想書いて、順番回ってきたからお風呂に入る。書かずにいられない。良いよ!
2017/03/12
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